史上まれに見るひどいメイクで作品がぶち壊し 「J・エドガー」レビュー
たったひとつのことが映画全体をぶち壊しにすることがある。この場合はディカプリオとアーミー・ハマーに施された老メイクアップがそれにあたる。
精悍な風貌の若い2人への老メイクはさすがに無理があり、老人っぽくふるまう2人が画面に登場するたびに痛々しい気持ちになる。2人が老いらくの恋を演じるシーンに至っては失笑すら禁じえない。
本来なら、J・エドガー・フーバー元FBI長官が残した功績や負の遺産が現代のアメリカにどんな影響を及ぼしたのか……なんてことが論じられるべき映画なのだろうが、そんな気力はすっかり萎えてしまう。