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第85回アカデミー賞ノミネーション発表!最多12部門ノミネートはスピルバーグ「リンカーン」だが・・・?

アカデミー賞 記事:2013.01.18

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作品賞
混戦を極めた前哨戦を経て最多ノミネートの栄冠を勝ち取ったのは、スティーヴン・スピルバーグ監督が第16代米大統領の最期の4ヶ月間を描いた「リンカー ン」。昨年11月、オバマ大統領が二期目の当選を決めた米大統領選挙の最中に封切られ、市場でも大ヒットを記録した話題作だ。政治への関心が高まっている 時期にタイムリーに公開されたことは大きな強みで、このまま本番でも大量受賞があっておかしくない。

今年もノミネートは9作品。うち7本は最重要前哨戦3賞(製作者組合賞・ゴールデングローブ賞・ブロードキャスト批評家賞)すべてにノミネートされていた ので順当な候補入り。また2賞で候補の「ハッシュパピー バスタブ島の少女」もキャンペーン上手なフォックス・サーチライトの強力なバックアップによりこちらも予想通りノミネートされた。

サプライズはオーストリア映画の「愛、アムール」だ。外国語映画のノミネートはここ10年では「硫黄島からの手紙」(ただしアメリカ映画)のみで、その前 は94年の「イル・ポスティーノ」まで遡る。作品賞候補作の枠が増えたという恩恵こそあるが、これだけの成功を収めた例はめずらしい。今年この部門最大の サプライズと言っていいだろう。

監督賞
作品賞部門でも本命と思われた「アルゴ」のベン・アフレック、および「ゼロ・ダーク・サーティ」のキャスリン・ビグローがそろって落選するというサプライ ズというよりハプニングが発生。監督組合賞ノミニーと2人しか一致しないという前代未聞の事態に、オスカーの行方はまったく予想できない混戦となった。
ミヒャエル・ハネケ(愛、アムール)とともにサプライズ候補となったベン・ザイトリンは、対象作「ハッシュパピー バスタブ島の少女」が長編デビュー作となる若手で、まだ29歳という若さ。好きな映画にエミール・クストリッツァの「アンダーグラウンド」を挙げる若き天 才の今後が楽しみだ。

主演男優賞
BIG6のうち、落選の憂き目にあったのはジョン・ホークス(The Sessions)。首から下が動かせない病床の男という難役はアカデミー好みのはずだったが、ほか候補者との知名度争いに敗れた感。逆に賞レース批判で ノミネートを不安視されていたホアキン・フェニックス(ザ・マスター)がそれでも支持されるという皮肉な結果に。ノミネートの報にホアキンがどうリアク ションするのか興味深い。

主演女優賞
ここは話題豊富な結果に。まず9歳(出演当時は6歳)でノミネートされたクヮヴェンジャネ・ウォレス(ハッシュパピー バスタブ島の少女)は、「クジラの島の少女」のケイシャ・キャッスル=ヒューズ13歳の記録を更新する史上最年少ノミネートを達成。また、85歳のエマ ニュエル・リヴァ(愛、アムール)は逆にジェシカ・タンディ(ドライビング・Miss・デイジー)の持つ80歳という記録を上回る史上最高齢ノミネートを 達成した。最年少と最年長の記録が同時に更新されるという何ともめずらしい事態となった。

助演男優賞
5人すべてが受賞経験者という新鮮味のない顔ぶれだが、逆に言えば実力派がそろいぶみという結果に。
ロバート・デニーロは「ケープ・フィアー」(91年)以来21年ぶりのノミネート。この面子なら受賞まである。
票割れが懸念された「ジャンゴ 繋がれざる者」からはクリストフ・ヴァルツがノミネート。今度こそと力の入ったレオナルド・ディカプリオは昨年に引き続き涙を飲んだ。

助演女優賞
前哨戦ではまったく名前が挙がらなかったジャッキー・ウィーヴァー(世界にひとつのプレイブック)がサプライズノミネート。これで「世界~」は演技賞部門すべてに候補者を送り出すという快挙を達成した。

撮影賞
これまで9度ノミネートされて受賞ゼロのロジャー・ディーキンス(007/スカイフォール)が10度目の正直なるか。まずはノミネートされたことにおめで とうを言いたい。フランシス・コッポラ監督に見出されたミハイ・マラメイア・Jr.(ザ・マスター)は前哨戦で2番手の実績を残すも落選。

作曲賞
本来ならアレクサンドル・デスプラの素晴らしいストリングスが聴ける「ムーンライズ・キングダム」が大本命のはずだが、なぜかアカデミー賞では規格外でエ ントリーせず。デスプラは「アルゴ」のほかに「ゼロ・ダーク・サーティ」も手がけており、今年はチャンスか。過去4度のノミネートで無冠のうっぷんを晴ら したい。
大巨匠ジョン・ウィリアムズは今回のノミネートがなんと47作品目。昨年も2作品でノミネートされており、まだまだ元気いっぱい。6つ目のオスカー像獲得なるか。


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