ジオラマ上のフィギュア映画?それがどうした! ― 「G.I.ジョー バック2リベンジ」レビュー
核の何倍もの衝撃をもってロンドンの街は壊滅。セオリー通りならロンドンの街は救うべきところだけど、娯楽大作としての映像インパクトがほしいから、まあ ロンドンくらい崩壊させとこうか。前作ではエッフェル塔を溶かしてやったから、それ以上じゃないとね。ロンドンには申し訳ないけど、ほかの都市は救ったん だからハッピーエンドだよね!
この能天気さこそ本シリーズの真骨頂だ。バカ映画のレッテル大歓迎、批判を恐れない確信犯の所行には潔さす ら感じる。そもそもこの映画に登場するのはマッチョな軍人と世界征服を企む悪の組織、そして政府関係者のみ。市井の人々ははじめから蚊帳の外で、いい大人 がモノポリーやって遊んでいるようにしか見えない。だからロンドン崩壊には何のリアリティもなく、ただ盤面のロンドン地区カードがひっくり返ったくらいの 感覚だ。