【第87回アカデミー賞有力作】 「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」
暗く重い難解なドラマのイメージつきまとうアレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ監督がまさかのコメディー初挑戦。人気作家レイモンド・カーヴァーの世界観を踏襲するかのようなドラマをベースに、絶妙な匙加減でユーモアを加えており、監督としての手腕をあらためて見せ付けた格好だ。
これまではその重厚なスタイルがアカデミー賞でのブレークを妨げてきた印象だが、軽さを備えた本作は批評家だけでなく万人に愛される下地があり、いよいよイニャリトゥのオスカー受賞も夢ではなくなってきた。
昨年、「ゼロ・グラビティ」で撮影賞を受賞した名手エマニュエル・ルベツキがまたもや信じられないカメラワークで独特の世界を生み出しており、技術的にも目を丸くする完成度。そこにマイケル・キートン、エドワード・ノートン、エマ・ストーンらアンサンブルキャストの好演が加わって何とも魅力的な作品に仕上がっている。
ロバート・ダウニー・Jr.など実名を繰り出してのハリウッド大作風刺が痛快な問題提起ととられるか、痛烈な批判ととられるかが鍵。
プラス要素/マイナス要素
+-痛快なハリウッド大作風刺
+アンサンブル演技での高評価
+トリッキーな撮影手法など玄人好み
+キャンペーン上手なFOXサーチライト配給
-業界内幕もので一般受けはしにくい
北米興収
$25,424,568
Metacriticスコア
89点(100点満点)
ロッテントマト
92%
前哨戦実績(◎受賞/○候補)
◎ゴッサム賞
◎ラスベガス映画批評家協会賞
◎ダラス-フォートワース映画批評家協会賞
◎フェニックス映画批評家協会賞
◎フロリダ映画批評家協会賞
◎カンザスシティ映画批評家協会賞
◎ユタ映画批評家協会賞
○サテライト賞
○インディペンデント・スピリット賞
○アメリカ製作者組合賞
○ブロードキャスト映画批評家協会賞
○ゴールデン・グローブ賞
○ナショナル・ボード・オブ・レビュー
○全米映画批評家協会賞
○ボストン映画批評家協会賞
○シカゴ映画批評家協会賞
○ワシントンD.C.映画批評家協会賞
○サンフランシスコ映画批評家協会賞
○オースティン映画批評家協会賞
○セントルイス映画批評家協会賞
○ロンドン映画批評家協会賞
○アフリカン・アメリカン映画批評家協会賞
○インディワイアー映画批評家協会賞
○アメリカ映画協会(AFI)Top10
○ニューヨーク・オンライン映画批評家協会賞
○ボストン・オンライン映画批評家協会賞
○デトロイト映画批評家協会賞
○ヒューストン映画批評家協会賞
○ノースカロライナ映画批評家協会賞
○セントラルオハイオ映画批評家協会賞
○デンバー映画批評家協会賞
◎ノミネート確率 : 95%
※データはすべて1/7現在の集計