【第87回アカデミー賞有力作】「ターナー、光に愛を求めて」
俳優の即興演技で作品を作り上げていく独特の作風で知られるイギリスの巨匠マイク・リー作品はアカデミー賞の常連。96年に作品賞ほか5部門でノミネートされた「秘密と嘘」を皮切りに、「ヴェラ・ドレイク」「家族の庭」などアカデミー賞実績は多い。
前作から4年ぶりとなる本作も有名画家の光と影にスポットを当て、カンヌ国際映画祭で男優賞を受賞するなど高い評価を得た。アメリカ国内でも批評家たちから絶大な支持を受け、前哨戦でも多数の批評家賞で存在感を発揮している。もっともノミネートの可能性が高いのは脚本賞。「秘密と嘘」以来の7作品中、実に5作品が脚本賞にノミネートされている。続いて可能性が高いのはティモシー・スポールの主演男優賞。カンヌ男優賞からの栄冠は3年前のジャン・デュジャルダン(アーティスト)が記憶に新しく、昨年の受賞者ブルース・ダーン(ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅)もノミネートを果たしている。
マイク・リー作品の作品賞ノミネートは「秘密と嘘」以来実績がないが、ここ数作で間違いなくベスト級の高評価で迎えられている本作が18年ぶりの快挙となる可能性は低くない。
プラス要素/マイナス要素
+カンヌ無冠も絶賛評価
+アカデミーにもファンが多いマイク・リー作品
+有名画家の知られざるドラマ
-外様の外国映画(英・仏・独共同)
北米興収
$963,000
Metacriticスコア
95点(100点満点)
ロッテントマト
97%
前哨戦実績(◎受賞/○候補)
○サテライト賞
○全米映画批評家協会賞
○ロンドン映画批評家協会賞
○ニューヨーク・オンライン映画批評家協会賞
○英インディペンデント映画賞
△ノミネート確率 : 25%
※データはすべて1/7現在の集計