ゴールデン・グローブ賞直前予想!
本日発表のゴールデン・グローブ賞直前予想。アカデミー賞を占ううえでもっとも重要視すべきという評価はもはや過去のもの。近年は独自路線が目立ってきており、アカデミー賞との直結度は決して高くない。投票する外国人記者クラブはもともとミーハー傾向を指摘されており、有名スターが受賞するケースが目立つ。
■ 作品賞(ドラマ部門)
◎6才のボクが、大人になるまで。
フォックスキャッチャー
イミテーション・ゲーム エニグマと天才数学者の秘密
○Selma
博士と彼女のセオリー
前哨戦を独走する「6ボク」が圧倒的有利だが、紛れがあるとすれば「Selma」。監督賞にノミネートされていることからも、外国人記者クラブがこの映画を特に推しているのは明らか。もしかするともしかする?
■ 作品賞(コメディ/ミュージカル部門)
◎バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)
○グランド・ブダペスト・ホテル
イントゥ・ザ・ウッズ
パレードへようこそ
St. Vincent
本番でも「6ボク」と作品賞を争うことが予想される「バードマン」がここでは負けられないところ。ただし、「グランド・ブダペスト・ホテル」も侮れない。この2本の一騎打ち。
■ 監督賞
ウェス・アンダーソン(グランド・ブダペスト・ホテル)
○エヴァ・デュヴルネ(Selma)
デヴィッド・フィンチャー(ゴーン・ガール)
アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ(バードマン あるいは~)
◎リチャード・リンクレイター(6才のボクが、大人になるまで。)
リチャード・リンクレイターが頭ひとつリードだが、それを追うのはイニャリトゥではなくエヴァ・デュヴルネ(Selma)。
■ 主演男優賞(ドラマ部門)
スティーヴ・カレル(フォックスキャッチャー)
○ベネディクト・カンバーバッチ(イミテーション・ゲーム エニグマと天才数学者の秘密)
ジェイク・ギレンホール(Nightcrawler)
◎デヴィッド・オイェロウォ(Selma)
エディ・レッドメイン(博士と彼女のセオリー)
主要部門では一番予想が難しい部門。大本命マイケル・キートンに本番で挑戦状を叩きつける権利を得るのは誰?ほか映画賞での実績からするとベネディクト・カンバーバッチ、ジェイク・ギレンホール、エディ・レッドメインの三つ巴。中でもギレンホールの旗色がいいが、ミーハー傾向強い外国人記者クラブが選ぶのはカンバーバッチか。ただし、作品高評価の余勢を駆って「Selma」のデヴィッド・オイェロウォが受賞する可能性も低くない。
■ 主演男優賞(コメディ/ミュージカル部門)
○レイフ・ファインズ(グランド・ブダペスト・ホテル)
◎マイケル・キートン(バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡))
ビル・マーレイ(St. Vincent)
ホアキン・フェニックス(Inherent Vice)
クリストフ・ヴァルツ(ビッグ・アイズ)
本番でも大本命のマイケル・キートンが磐石。レイフ・ファインズの可能性もないではないが、キートンを逆転するのは難しいだろう。
■ 主演女優賞(ドラマ部門)
ジェニファー・アニストン(Cake)
フェリシティ・ジョーンズ(博士と彼女のセオリー)
○ジュリアン・ムーア(アリスのままで)
◎ロザムンド・パイク(ゴーン・ガール)
リース・ウィザースプーン(Wild)
この部門もなかなか予想が難しい。下馬評通りならジュリアン・ムーア(アリスのままで)がアッサリだが、コメディ/ミュージカル部門とのWノミネートで票割れの可能性あり。また、対象作品がマイナーで見落とされる危険も。その点、作品が大人気のロザムンド・パイク(ゴーン・ガール)は役柄のインパクトも手伝って多くの得票が期待できる。
■ 主演女優賞(コメディ/ミュージカル部門)
○エイミー・アダムス(ビッグ・アイズ)
◎エミリー・ブラント(イントゥ・ザ・ウッズ)
ヘレン・ミレン(マダム・マロリーと魔法のスパイス)
ジュリアン・ムーア(マップ・トゥ・ザ・スターズ)
クヮヴェンジャネ・ウォレス(ANNIE アニー)
有力候補がすべてドラマ部門に回ったおかげで5人全員に受賞のチャンスあり。甲乙つけるのは難しいところだが、あえて印をつけるなら人気の高いこの2人。作品力の差でエミリー・ブラント(イントゥ・ザ・ウッズ)を上位にとる。歌唱パフォーマンスも得票につながるだろう。
■ 助演男優賞
ロバート・デュヴァル(ジャッジ 裁かれる判事)
イーサン・ホーク(6才のボクが、大人になるまで。)
◎エドワード・ノートン(バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡))
マーク・ラファロ(フォックスキャッチャー)
○J・K・シモンズ(セッション)
ほか映画賞ではJ・K・シモンズ(セッション)がリードしたが、ここではエドワード・ノートン(バードマン)が逆転してもおかしくない。というか、ここをノートンがとれば前哨戦実績でシモンズと並んで本番が大いに盛り上がるので、期待も込めて。
■ 助演女優賞
◎パトリシア・アークェット(6才のボクが、大人になるまで。)
ジェシカ・チャステイン(A Most Violent Year)
キーラ・ナイトレイ(イミテーション・ゲーム エニグマと天才数学者の秘密)
○エマ・ストーン(バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡))
メリル・ストリープ(イントゥ・ザ・ウッズ)
今年のこの部門でパトリシア・アークェットに太刀打ちできる候補はいない。唯一、フレッシュさを買われてエマ・ストーンに票が集まる可能性があるくらいか。
■ 脚本賞
アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ(バードマン あるいは~)
◎リチャード・リンクレイター(6才のボクが、大人になるまで。)
ギリアン・フリン(ゴーン・ガール)
○ウェス・アンダーソン(グランド・ブダペスト・ホテル)
グラハム・ムーア(イミテーション・ゲーム エニグマと天才数学者の秘密)
ほか映画賞で実績を残している「6ボク」と「グランド・ブダペスト・ホテル」の一騎打ちか。作品賞で有力視される前者の勝利と見る。
■ 作曲賞
◎アントニオ・サンチェス(バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡))
○トレント・レズナー、アティカス・ロス(ゴーン・ガール)
アレクサンドル・デスプラ(イミテーション・ゲーム エニグマと天才数学者の秘密)
ハンス・ジマー(インターステラー)
ヨハン・ヨハンソン(博士と彼女のセオリー)
ほか映画賞で実績上位の「バードマン」が有利。昨年同賞を受賞したアレックス・エバート (オール・イズ・ロスト 〜最後の手紙〜)のようにフレッシュな人材が取り上げられる傾向にあり、キャリアに乏しい新顔サンチェスでも勝負になる。ドラム中心の楽曲という異色がどう評価されるか。
■ 主題歌賞
“Big Eyes”(ビッグ・アイズ)
◎“Glory”(Selma)
“Mercy Is”(ノア 約束の舟)
○“Opportunity”(ANNIE アニー)
“Yellow Flicker Beat”(The Hunger Games: Mockingjay – Part 1)
作品力で「Selma」を上位にとる。ミュージカル映画「ANNIE」が次位。
■ アニメーション映画賞
○ベイマックス
The Book of Life
The Boxtrolls
ヒックとドラゴン2
◎LEGO ムービー
ほか映画賞でも快走する「LEGO ムービー」に敵なし。
■ 外国語映画賞
○ツーリスト(スウェーデン)
Gett: The Trial of Viviane Amsalem(イスラエル)
◎イーダ(ポーランド)
Leviathan(ロシア)
Tangerines(エストニア)
日本でも公開済みの「イーダ」と東京国際映画祭で上映の「ツーリスト」が他をリード。