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第87回アカデミー賞主要部門ノミネーション予想

お知らせ 記事:2015.01.14

■作品賞

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【ノミネート予想】
○6才のボクが、大人になるまで。
○バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)
○グランド・ブダペスト・ホテル
○イミテーション・ゲーム
○博士と彼女のセオリー
○セッション
○ゴーン・ガール
○Selma
○アメリカン・スナイパー

【その他有力コンテンダー】
Nightcrawler
フォックスキャッチャー
Unbroken
ターナー、光に愛を求めて
イントゥ・ザ・ウッズ
インターステラー
A Most Violent Year
Inherent Vice
フューリー
LEGOムービー
Wild
アンダー・ザ・スキン 種の捕食

【解説】
5~10本の候補作が選出されるルールに改変された11年以降、候補作の本数は3年続けて9本となっている。というわけで予想も9本をピックアップ。ノミネート安泰作品が5本、残り4枠を巡って多数の作品が争う展開だ。

前哨戦実績、配給、作品の内容から推測するに、ノミネート安泰と言えそうなのは「6才のボク」「バードマン」「グランド・ブダペスト・ホテル」「イミテーション・ゲーム」「博士と彼女のセオリー」の5本。受賞作もこれらの中から生まれるだろう。

残り4枠の最有力コンテンダーはサンダンス映画祭グランプリ受賞の「セッション」。小規模なインディーズ映画だが、前哨戦での愛され方はオスカー候補作の傾向にぴたりと当てはまる。

「ゴーン・ガール」は授賞式を盛り上げるために不可欠な存在。今年は受賞争いをする作品が地味で授賞式の視聴率低下が不安視されているが、ボックスオフィスで大ヒットした同作が視聴者の興味をひきつける役目を担っている。司会を務めるのが同作に出演したニール・パトリック・ハリスというのも大きな強みだ。

「Selma」はアメリカ製作者組合賞こそ逃したものの、その他の前哨戦では実績十分。キング牧師というアイコン的な存在も得票に結びつきやすく、作品の内容もアカデミー賞向きだ。

「アメリカン・スナイパー」もアカデミー賞向きの素材。クリント・イーストウッド監督のシンパによる得票も期待でき、配給会社ワーナーの強力プッシュも票に結びつくだろう。

その他、有力は「Nightcrawler」「フォックスキャッチャー」「Unbroken」あたりか。特に「Nightcrawler」は前哨戦実績上位で逆転があっても驚かない。

■監督賞

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【ノミネート予想】
○ウェス・アンダーソン(グランド・ブダペスト・ホテル)
○デヴィッド・フィンチャー(ゴーン・ガール)
○アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ(バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡))
○リチャード・リンクレイター(6才のボクが、大人になるまで。)
○デイミアン・チャゼル(セッション)

【その他有力コンテンダー】
エヴァ・デュヴルネ(Selma)
アンジェリーナ・ジョリー(Unbroken)
クリント・イーストウッド(アメリカン・スナイパー)
モルテン・ティルドゥム(イミテーション・ゲーム)
クリストファー・ノーラン(インターステラー)
マイク・リー(ターナー、光に愛を求めて)
ダン・ギルロイ(Nightcrawler)

【解説】
時折、とんでもないサプライズ選出に驚かされる監督賞部門。一昨年のベン・ザイトリン(ハッシュパピー ~バスタブ島の少女~)のように将来有望な若手を大胆に選出することもあれば、ミヒャエル・ハネケ(愛、アムール)のように外国語映画を手がけた監督を選出することもある。今年もアッと驚く結果があるかもしれない。

若手筆頭株は「セッション」でサンダンス映画祭グランプリを獲得したデイミアン・チャゼル。ベン・ザイトリン同様、サンダンス組ということで実績は十分だ。29歳の若手がひのき舞台に上がる可能性は低くない。

本来はアカデミー賞との直結度高いアメリカ監督組合賞の結果を最重要視すべきなのだが、今年は組合賞の結果自体が波乱含み。有力視されていたデヴィッド・フィンチャー(ゴーン・ガール)やエヴァ・デュヴルネ(Selma)が落選するというサプライズがあり、どこまで信用すべきかは判断の分かれるところだ。とりあえず、組合賞を含む重要3賞すべてにノミネートされているウェス・アンダーソン(グランド・ブダペスト・ホテル)、アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ(バードマン)、リチャード・リンクレイター(6才のボク)は安泰だが、残る2席は誰がノミネートされてもおかしくない。

■主演男優賞

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【ノミネート予想】
○マイケル・キートン(バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡))
○エディ・レッドメイン(博士と彼女のセオリー)
○ジェイク・ギレンホール(Nightcrawler)
○レイフ・ファインズ(グランド・ブダペスト・ホテル)
○ベネディクト・カンバーバッチ(イミテーション・ゲーム エニグマと天才数学者の秘密)

【その他有力コンテンダー】
デヴィッド・オイェロウォ(Selma)
スティーヴ・カレル(フォックスキャッチャー)
ティモシー・スポール(ターナー、光に愛を求めて)
ブラッドリー・クーパー(アメリカン・スナイパー)
トム・ハーディ(Locke)
オスカー・アイザック(A Most Violent Year)
ブレンダン・グリーソン(Calvary)

【解説】
ノミネート当確かと思われていたベネディクト・カンバーバッチ(イミテーション・ゲーム)に黄信号。現状では5つ目の椅子を争う当落線上にいる1人という評価が妥当だろう。

とはいえ、ノミネート当確と言えそうなのは2人だけ。ゴールデン・グローブ賞を制したマイケル・キートン(バードマン)とエディ・レッドメイン(博士と彼女のセオリー)は前哨戦実績、作品力の双方を備えており死角はない。カンバーバッチも作品賞候補確実な対象作は有利だが、前哨戦実績にやや不安が残る。重要3賞すべてにノミネートされているのは頼もしいかぎりだが、どうも前哨戦後半戦に入って息切れしている印象が否めない。当初は互角の勝負をしていたはずのエディ・レッドメインにも大きく差をつけられており、いつのまにやら受賞圏外に追いやられてしまった。

代わりに勢いを増しているのがレイフ・ファインズ(グランド・ブダペスト・ホテル)だ。作品の熱狂的ファンが多く、当初は圏外と思われていたファインズをノミネート圏内に押し上げてしまうかもしれない。

また、キング牧師を演じたデヴィッド・オイェロウォ(Selma)もノミネートの資格は十分。アメリカ俳優組合賞こそノミネートを逃したが、ゴールデン・グローブ賞とブロードキャスト映画批評家協会賞ではみごとノミネートを勝ち取っている。何より知らぬ者はない偉人を演じていることが最大の強みだ。アメリカン・アフリカンの代表的立場としても得票が期待できる。

ほかにも有力コンテンダーは多い。組合賞とブロードキャスト映画批評家協会賞にノミネートされたスティーヴ・カレル(フォックスキャッチャー)も十分圏内だ。ただし、ジム・キャリーに代表されるアカデミー会員のコメディアン冷遇が気になるところ。

前哨戦実績なら、カンヌ国際映画祭で男優賞を受賞したティモシー・スポール(ターナー、光に愛を求めて)も負けてはいない。マイク・リー監督作からは多くの演技賞ノミニーが輩出されており、リー作品の古株スポールにスポットライトがあたる可能性は低くない。

■主演女優賞

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【ノミネート予想】
○ジュリアン・ムーア(アリスのままで)
○ロザムンド・パイク(ゴーン・ガール)
○フェリシティ・ジョーンズ(博士と彼女のセオリー)
○リース・ウィザースプーン(Wild)
○ジェニファー・アニストン(Cake)

【その他有力コンテンダー】
マリオン・コティヤール(サンドラの週末)
スカーレット・ヨハンソン(アンダー・ザ・スキン 種の捕食)
エイミー・アダムス(ビッグ・アイズ)
エミリー・ブラント(イントゥ・ザ・ウッズ)

【解説】
これまで4度ノミネートされながら受賞を逃し続けているジュリアン・ムーア(アリスのままで)が今年こそオスカー像を手にするだろうというのがもっぱらの見解だが、前哨戦では十分な実績は残したものの、ライバルを突き放すまでは至らなかった。

前哨戦の受賞数を単純比較するなら、マリオン・コティヤール(サンドラの週末)に遅れをとっているし、ロザムンド・パイク(ゴーン・ガール)ともほぼ同等の勝負を繰り広げている。さらに、リース・ウィザースプーン(Wild)も差がなく続いており、決して盤石な強さとは言えない。

作品の認知度が低いのが最大の弱点だが、それでもゴールデン・グローブ賞ではライバルたちを破ってみごとに受賞を果たした。これでアカデミー賞ノミネートは安泰と言えそうだが、オスカー像に手が届くかどうかは最後の瞬間までわからない。

受賞数で上回ったマリオン・コティヤールだが、決してノミネート当確ではない。むしろ不安要素は多い。まずは対象が外国語作品であること。しかも対象作「サンドラの週末」は外国語映画賞部門でまさかの1次審査落選となってしまった。これで逆にコティヤールに票が集まりやすくなったとも言えるが、それでも大きなハンデだ。また、重要3賞のうち2つ(アメリカ俳優組合賞、ゴールデン・グローブ賞)を落としているのもマイナスだ。

その点、批評家賞では全くといっていいほど名前の挙がらなかったジェニファー・アニストン(Cake)が、重要3賞すべてでノミネートされているというのは、前哨戦各賞の重要性を計る意味でひじょうに面白い。コティヤールがノミネートされれば各批評家賞の重要性が見直されることになり、アニストンがノミネートされれば重要3賞がさらに注目度を増すことになるだろう。

■助演男優賞

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【ノミネート予想】
○J・K・シモンズ(Whiplash)
○エドワード・ノートン(バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡))
○イーサン・ホーク(6才のボクが、大人になるまで。)
○マーク・ラファロ(フォックスキャッチャー)
○ロバート・デュヴァル(ジャッジ 裁かれる判事)

【その他有力コンテンダー】
ジョシュ・ブローリン(Inherent Vice)
リズ・アーメド(Nightcrawler)

【解説】
この部門は前哨戦で4人に実績が集中。イーサン・ホーク(6才のボク)、エドワード・ノートン(バードマン)、マーク・ラファロ(フォックスキャッチャー)、J・K・シモンズ(セッション)の4人は問題なくノミネートの栄誉を勝ち取るだろう。残る1つの椅子を2人が争う格好だ。

前哨戦のノミネート数で勝るのは、計10以上の前哨戦で名前が挙がったジョシュ・ブローリン(Inherent Vice)。ただし、重要3賞(アメリカ製作者組合賞、ゴールデン・グローブ賞、ブロードキャスト映画批評家協会賞)すべてでノミネートされたロバート・デュヴァル(ジャッジ 裁かれる判事)が実績上位ととるのが妥当だ。この部門は元来、ベテラン俳優に票が集まりやすい傾向にあり、84歳となるデュヴァルに功労賞的な意味合いの票が集まったとしてもおかしくない。

■助演女優賞

patriciaarquette_boyhood emmastone_birdman keilaknightlay_imitationgame merylstreep_intothewoods jessicachastain_amostviolentyear

【ノミネート予想】
○パトリシア・アークェット(6才のボクが、大人になるまで。)
○エマ・ストーン(バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡))
○キーラ・ナイトレイ(イミテーション・ゲーム)
○メリル・ストリープ(イントゥ・ザ・ウッズ)
○ジェシカ・チャステイン(A Most Violent Year)

【その他有力コンテンダー】
ティルダ・スウィントン(スノーピアサー)
アガタ・クレシャ(イーダ)
レネ・ルッソ(Nightcrawler)
ローラ・ダーン(Wild)
キャサリン・ウォーターストン(Inherent Vice)
キャリー・クーン(ゴーン・ガール)
ナオミ・ワッツ(St. Vincent)

【解説】
前哨戦を独走し、盤石な強さを見せるパトリシア・アークェット(6才のボクが、大人になるまで。)に死角はない。よほどのことがないかぎりオスカー像の行方は揺るがないだろう。

というわけで、その他4人の候補者は完全に彼女の引き立て役となってしまう運命なのだが、例年なら受賞を狙える好メンバーがそろっている。前哨戦実績でリードするのはキーラ・ナイトレイ(イミテーション・ゲーム)とエマ・ストーン(バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡))。この2人はノミネートほぼ当確と見ていいだろう。

難しいのがジェシカ・チャステイン(A Most Violent Year)。最重要視されるアメリカ俳優組合賞ノミネーションでまさかの落選。作品の認知度が足を引っぱっている印象だが、チャステイン自身は11〜12年と2年連続でノミネートされた経験もあり、アカデミー会員の覚えはめでたい。

覚えがめでたいと言えば彼女以上の存在はないというメリル・ストリープが今年もノミネートされそうだ。対象作「イントゥ・ザ・ウッズ」では特殊メイクで不気味な老魔女を演じており、静止画だけで迫力満点。前人未踏の19回目のノミネートも難しくなさそうだ。

下馬評通りならここまでの5人がノミネート圏内だが、ほか7人にも逆転のチャンスあり。中でも前哨戦で目立った実績を残したティルダ・スウィントン(スノーピアサー)が逆転の最右翼か。作品賞部門で有力視されるレネ・ルッソ(Nightcrawler)も差はない。

面白いのはキャサリン・ウォーターストン(Inherent Vice)。名優サム・ウォーターストンの娘という血統書付きで、キャリアは浅いが次回作にはスティーヴ・ジョブズ伝記映画が決定している注目株。先物買いが大好きなアカデミー会員の眼鏡に適う逸材だ。


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