【第87回アカデミー賞予想 作曲賞】 Wノミネートのアレクサンドル・デスプラが6度目の正直なるか?
■作曲賞ノミニーと過去のアカデミー賞実績
アレクサンドル・デスプラ
(イミテーション・ゲーム エニグマと天才数学者の秘密)
⇒アカデミー賞実績
○07年「クイーン」
○09年「ベンジャミン・バトン 数奇な人生」
○10年「ファンタスティック Mr.FOX」
○11年「英国王のスピーチ」
○13年「アルゴ」○14年「あなたを抱きしめる日まで」
アレクサンドル・デスプラ
(グランド・ブダペスト・ホテル)
⇒アカデミー賞実績
同上
ハンス・ジマー
(インターステラー)
⇒アカデミー賞実績
○11年「インセプション」
○10年「シャーロック・ホームズ」
○01年「グラディエーター」
○99年「シン・レッド・ライン」
○99年「プリンス・オブ・エジプト」
○98年「グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち」
○97年「天使の贈りもの」
◎95年「ライオン・キング」
○89年「レインマン」
ヨハン・ヨハンソン
(博士と彼女のセオリー)
⇒アカデミー賞実績
初ノミネート
ゲイリー・ヤーション
(ターナー、光に愛を求めて)
⇒アカデミー賞実績
初ノミネート
【解説】
実は作品賞部門とつながりが深く、ここ11年連続で作品賞にノミネートされている作品が受賞している。今年作品賞にノミネートされていない「インターステラー」「ターナー、光に愛を求めて」にとっては嫌なデータだ。
作品賞にノミネートされている「イミテーション・ゲーム」と「グランド・ブダペスト・ホテル」の2本で候補となったアレクサンドル・デスプラは、これまで6度ノミネートされながら受賞ゼロと運がない。当代の映画作曲家のなかでも一番の売れっ子でその手腕は誰もが認めるところだが、アカデミー賞では不遇をかこっている。今回は対象作も強力で過去最大のチャンスだが、2作品でのノミネートで票割れが予想されるのが唯一の割引きポイント。耳に覚えのいい「グランド・ブダペスト・ホテル」に票が集まれば受賞に一番近い存在と言えそうだ。
本命に推したいのは「博士と彼女のセオリー」でドラマチックなメロディーを紡ぎ出したヨハン・ヨハンソン。アイルランド出身の作曲家でハリウッドでの実績には乏しいが、ゴールデン・グローブ賞受賞で一躍脚光を浴びた。この部門は近年グローバル志向が強く、あらゆる国籍の作曲家にオスカー像を授与している。過去10年の受賞者を見ても、ポーランド、アルゼンチン、イタリア、インド、イギリス、フランス、カナダと国籍は様々だ。アイルランド出身のヨハンソンにとって、アメリカでの実績の乏しさや認知の低さは逆にプラスと言えるかもしれない。
【予想】
◎ヨハン・ヨハンソン(博士と彼女のセオリー)
○アレクサンドル・デスプラ(グランド・ブダペスト・ホテル)
アレクサンドル・デスプラ(イミテーション・ゲーム エニグマと天才数学者の秘密)
ハンス・ジマー(インターステラー)
ゲイリー・ヤーション(ターナー、光に愛を求めて)