【第87回アカデミー賞予想 メーキャップ&ヘアスタイリング賞】 3年前から傾向一変で「グランド・ブダペスト・ホテル」優位
■ メーキャップ&ヘアスタイリング賞ノミニー
【解説】
81年の第54回メーキャップ賞として創設された比較的新しい部門だが、2年前の第85回よりメーキャップ&ヘアスタイリング賞と名称を変更している。第84回に同賞を受賞した「マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙」が多分にヘアスタイリングの貢献を指摘されたことに加え、同作で主演女優賞を受賞したメリル・ストリープが受賞スピーチで長年の付き合いであるヘアスタイリストに感謝の意を表したことも名称変更のきっかけになっているかもしれない。
というわけで、これまでは「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズや「スター・トレック」「ウルフマン」などファンタジー系の特殊メイクが受賞しやすい傾向にあったが、名称を変更してからは「レ・ミゼラブル」「ダラス・バイヤーズクラブ」が受賞するなど傾向が一変している。ヘアスタイリングの占める比重に加え、作品そのもののクオリティも問われる傾向にあるため、いくらボックスオフィスで存在感を示そうがオスカー像には手が届かなくなっている。
受賞の最右翼は、ティルダ・スウィントンの老婆メイクをはじめ、出演者のことごとくがメイクによって華麗な変身を遂げている「グランド・ブダペスト・ホテル」。作品のクオリティも申し分なく、強さを見せつけるだろう。
ただし、スティーヴ・カレルを別人に変身させることに成功した「フォックスキャッチャー」も差はない。マーク・ラファロの円形禿げメイクも印象的で、インパクトではむしろこちらが上かもしれない。
【予想】
◎グランド・ブダペスト・ホテル
○フォックスキャッチャー
ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー