【第87回アカデミー賞予想 助演女優賞】大本命パトリシア・アークエットに死角なし
■ 助演女優賞ノミニーと過去のアカデミー賞実績
パトリシア・アークェット(6才のボクが、大人になるまで。)
⇒アカデミー賞実績
なし
キーラ・ナイトレイ(イミテーション・ゲーム エニグマと天才数学者の秘密)
⇒アカデミー賞実績
06年「プライドと偏見」(主演女優賞ノミネート)
エマ・ストーン(バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡))
⇒アカデミー賞実績
なし
メリル・ストリープ(イントゥ・ザ・ウッズ)
⇒アカデミー賞実績
14年「8月の家族たち」(主演女優賞ノミネート)
12年「マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙」(主演女優賞受賞)
10年「ジュリー&ジュリア」(主演女優賞ノミネート)
09年「ダウト ~あるカトリック学校で~」(主演女優賞ノミネート)
07年「プラダを着た悪魔」(主演女優賞ノミネート)
03年「アダプテーション」(助演女優賞ノミネート)
00年「ミュージック・オブ・ハート」(主演女優賞ノミネート)
99年「母の眠り」(主演女優賞ノミネート)
96年「マディソン郡の橋」(主演女優賞ノミネート)
91年「ハリウッドにくちづけ」(主演女優賞ノミネート)
89年「A CRY IN THE DARK」(主演女優賞ノミネート)
88年「黄昏に燃えて」(主演女優賞ノミネート)
86年「愛と哀しみの果て」(主演女優賞ノミネート)
84年「シルクウッド」(主演女優賞ノミネート)
83年「ソフィーの選択」(主演女優賞受賞)
82年「フランス軍中尉の女」(主演女優賞ノミネート)
80年「クレイマー、クレイマー」(助演女優賞受賞)
79年「ディア・ハンター」(助演女優賞ノミネート)
ローラ・ダーン(Wild)
⇒アカデミー賞実績
92年「ランブリング・ローズ」(主演女優賞ノミネート)
【解説】
この部門にサプライズは起こりえない。前哨戦を独走したパトリシア・アークエット(6才のボク)が順当に勝利するだろう。そもそもアークエットは実質主演であり、映画の核とも言えるキャラクターを演じている。助演カテゴリーのなかではもとから抜きんでた存在だ。本作撮影中の12年間、アークエットは当たり役となったTVドラマ「ミディアム 霊能者アリソン・デュボア」でエミー賞を受賞するなどの活躍を見せているが、主にTV業界でキャリアを積み重ねており、映画では目立った活躍がない。今回、元夫役を演じたイーサン・ホークが映画に出ずっぱりだったのと比較すると、アークエットはこの映画こそが12年間のキャリア集大成という色合いが強くにじみ出る。まさに映画の顔であり、この映画を愛する会員は例外なくアークエットに投票するだろう。
対抗馬はいないに等しいが、強いて挙げるならエマ・ストーン(バードマン)か。助演女優部門は若手女優にやさしい傾向にあり、過去には子役で受賞したテイタム・オニール(ペーパー・ムーン)やアンナ・パキン(ピアノ・レッスン)をはじめ、マリサ・トメイ(いとこのビニー)やミラ・ソルヴィノ(誘惑のアフロディーテ)、アンジェリーナ・ジョリー(17歳のカルテ)などがキャリア初期に受賞を果たしている。アカデミー会員は若手女優の青田買いが好きなのだ。ただその点、エマ・ストーンはすでにヒット作も多く、26歳の若さで早くも一流女優の仲間入りしているイメージ。青田買いという意味ではすでに魅力が薄いかもしれない。
有名俳優を両親に持つローラ・ダーン(Wild)は今回が2度目のノミネート。昨年は父ブルース・ダーンが主演男優賞にノミネートされており、親子で2年連続の演技賞ノミネートという珍しい記録をつくった。昨年、「ダラス・バイヤーズクラブ」で主演男優・助演男優賞のW受賞を果たしたジャン=マルク・ヴァレによる演出のもと、実年齢が7歳しか違わないリース・ウィザースプーンの母親役を演じている。
常連メリル・ストリープは今回が19度目のノミネート。最多ノミネート記録をまたひとつ更新した。11年に「マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙」で3つ目のオスカー像を獲得したばかりとあって、しばらく順番はめぐってきそうにない。2030年くらいに25度目のノミネートで4つ目のオスカー像をもらう・・・あたりが妥当なシナリオか。
まもなく節目の30歳を迎えるイギリス人女優キーラ・ナイトレイは2度目のノミネート。対象作「イミテーション・ゲーム」では天才数学者の主人公に劣らぬ頭脳を持つ才女を演じる。劇中、ベネディクト・カンバーバッチに強烈なビンタを食らわすシーンでは自身の持ち味を十二分に発揮する名演を披露。芯の強さと繊細さを合わせもつ難しい役柄を見事に演じきっている。
【予想】
◎パトリシア・アークエット(6才のボクが、大人になるまで。)
○エマ・ストーン(バードマン)
△ローラ・ダーン(Wild)