【第87回アカデミー賞予想 助演男優賞】前哨戦をリードしたベテラン俳優J・K・シモンズで鉄板
■ 助演男優賞ノミニーと過去のアカデミー賞実績
イーサン・ホーク（6才のボクが、大人になるまで。）
⇒アカデミー賞実績
14年「ビフォア・ミッドナイト」（脚色賞ノミネート）
05年「ビフォア・サンセット」（脚色賞ノミネート）
02年「トレーニング デイ」（助演男優賞ノミネート）
エドワード・ノートン（バードマン あるいは（無知がもたらす予期せぬ奇跡））
⇒アカデミー賞実績
99年「アメリカン・ヒストリーＸ」（主演男優賞ノミネート）
97年「真実の行方」（助演男優賞ノミネート）
マーク・ラファロ（フォックスキャッチャー）
⇒アカデミー賞実績
11年「キッズ・オールライト」（助演男優賞ノミネート）
J・K・シモンズ（セッション）
⇒アカデミー賞実績
なし
ロバート・デュヴァル（ジャッジ 裁かれる判事）
⇒アカデミー賞実績
99年「シビル・アクション」（助演男優賞ノミネート）
98年「The Apostle」（主演男優賞ノミネート）
84年「テンダー・マーシー」（主演男優賞受賞）
81年「パパ」（主演男優賞ノミネート）
80年「地獄の黙示録」（助演男優賞ノミネート）
73年「ゴッドファーザー」（助演男優賞ノミネート）
【解説】
前哨戦で独走したJ・K・シモンズ（セッション）の優位は揺るがない。「スパイダーマン」シリーズで演じたカタブツ編集長役でおなじみ、コワモテな容姿を活かした頑固親父を演じさせたら右に出る者はいない名脇役だ。今回も音楽に情熱を傾けるスパルタ教師を独特のアクの強さで演じきっており、インパクトは絶大。劇中のドラムのように力強いビートを刻んでオスカー像をさらう可能性大だ。
役柄のインパクトならエドワード・ノートン（バードマン）も負けてはいない。エキセントリックな行動で周囲を翻弄する天才肌の舞台役者役で、主人公とパンツ一丁でとっくみあいをするシーンなど見せ場は盛りだくさん。役柄への強いこだわりから撮影現場では問題児扱いされることも少なくないノートンそのままなイメージで、主演のマイケル・キートンともども終始リアルな空気を身にまとっている。
12年間の撮影に皆勤したイーサン・ホーク（6才のボクが、大人になるまで。）もオスカー像にふさわしい演技を見せている。本作の撮影をこなしながら、リチャード・リンクレイター監督と9年おきの「ビフォア～」シリーズも手がけていたというから驚きだ。昨年のアカデミー賞では「ビフォア・ミッドナイト」で脚本賞の候補に挙がっており、実は2年連続のオスカーノミネートとなる。
ベテラン俳優ロバート・デュヴァル（ジャッジ 裁かれる判事）は今回が7回目のノミネート。84年に主演男優賞を受賞しているが、ノミネートは99年の「シビル・アクション」以来16年ぶりとなる。元来、助演男優賞はベテラン俳優にやさしい部門で、過去にも最年長受賞のクリストファー・プラマー（人生は、ビギナーズ）やアラン・アーキン（リトル・ミス・サンシャイン）、ジャック・パランス（シティ・スリッカーズ）ら業界を支えてきた名脇役たちにオスカー像を授与してきた。ハリウッドを代表するベテラン俳優のデュヴァルに2つ目のオスカー像を、と考える会員がいたとて不思議はない。
「アベンジャーズ」での活躍もめざましいマーク・ラファロ（フォックスキャッチャー）は、今回のノミニーで唯一、実在の人物を演じている。もともと演技賞部門は実在の人物が受賞しやすい傾向にあり、主演男優部門では5人中4人が実在の人物を演じてノミネートされた。レスラー役をこなすためのウェートアップや頭頂部を薄くしたヘアメイクなど変身っぷりが印象的で、得票につながりやすい役柄といえそうだ。
【予想】
◎J・K・シモンズ（セッション）
○エドワード・ノートン（バードマン）
△イーサン・ホーク（6才のボクが、大人になるまで。）
