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【第87回アカデミー賞予想 主演男優賞】キートンか、レッドメインか、クーパーか?熾烈な三つ巴。

アカデミー賞 記事:2015.02.22

■ 主演男優賞ノミニーと過去のアカデミー賞実績

マイケル・キートン(バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡))
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⇒アカデミー賞実績
なし

エディ・レッドメイン(博士と彼女のセオリー)
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⇒アカデミー賞実績
なし

ベネディクト・カンバーバッチ(イミテーション・ゲーム エニグマと天才数学者の秘密)
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⇒アカデミー賞実績
なし

スティーヴ・カレル(フォックスキャッチャー)
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⇒アカデミー賞実績
なし

ブラッドリー・クーパー(アメリカン・スナイパー)
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⇒アカデミー賞実績
13年「世界にひとつのプレイブック」(主演男優賞ノミネート)
14年「アメリカン・ハッスル」(助演男優賞ノミネート)

【解説】
前哨戦序盤を牽引したのはマイケル・キートン(バードマン)。かつてハリウッド超大作ヒーロー映画で栄華を極めた落ち目の俳優という、自身を彷彿とさせるような役柄を演じている。本人は本気なのかジョークなのか、「自分とはまったくちがう役柄を演じなきゃいけなかったから難しかったね」と発言しているが、タイトルの「バードマン」はキートンがかつて演じた「バットマン」に由来していることは明らかで、観客は誰しも映画の主人公にキートンの姿を重ねずにはいられない。劇中ではパンツ一丁でブロードウエイの大通りを闊歩するという文字通り裸一貫の再スタートを切る覚悟表明のようなシーンがある。こうした役者人生をかけた入魂の演技に会員たちの多くが感銘を受けるだろう。

全米俳優組合賞を受賞して一躍本命に躍り出たのはエディ・レッドメイン(博士と彼女のセオリー)。その後、英国アカデミー賞も制するなど風向きは完全にレッドメインに向いている。実在の人物、かつ体の自由を奪われた障害者演技というアカデミー賞を受賞しやすい役柄で、これまでの傾向からすればマイケル・キートンを逆転してオスカーを受賞する可能性は高い。ただし、まだ33歳と若くキャリアが浅いのはマイナス材料だ。この部門はやはり相応のキャリアを積んだ役者がこれまで培った経験値を注ぎ込んではじめて受賞できるという壁の高さがあり、過去10年をさかのぼっても30代前半での受賞例はない。また、将来有望なレッドメインは現在、「レ・ミゼラブル」でも組んだトム・フーパー監督の新作「The Danish Girl」を撮影中。はじめて性転換をおこなった実在の人物を演じるとあって、ふたたびアカデミー賞戦線をにぎわす可能性が高い。今回は見送り、と判断する会員も少なからずいることだろう。

3年連続ノミネートのブラッドリー・クーパー(アメリカン・スナイパー)にも受賞のチャンスはある。3年連続候補は99年〜01年のラッセル・クロウ以来の快挙となる。かつては「ハングオーバー!」シリーズなどでイケメンぶりがクローズアップされることの多かった男が、デヴィッド・O・ラッセル監督との出会いで一変。わずかな時間で演技派と称されるアカデミー賞常連に生まれ変わった。現場ではとても真面目で演技に打ち込むタイプの役者で、監督や共演者たちからの信望も厚いそうだ。こうした評価が多くの得票につながっているのかもしれない。今回演じたクリス・カイルは160人を射殺した史上最強のスナイパーだが、米国内では英雄と崇められている。その英雄の苦悩を演じきった真面目なクーパーは好感度たっぷり。作品の大ヒットも手伝って多くの票が集まる可能性はある。

傑作TVシリーズ「SHERLOCK」の大ヒットで一躍スターダムにのしあがったベネディクト・カンバーバッチ(イミテーション・ゲーム)がキャリアの勢いもそのままに初ノミネート。対象作は有望脚本を集めた通称ブラックリストの最上位にランクされ、レオナルド・ディカプリオが自身の製作・主演で企画を進めていた。その後釜として抜擢されるほどまでに、ハリウッドでのカンバーバッチの期待値は上昇している。演じたアラン・チューリングという役柄は、天才的な数学者であり、仲間と協調できない変わり者であり、同性愛を理由に不当に迫害された被害者であるというアカデミー賞好みの難役。見事に演じきってその人気に実力が伴っていることを証明した。

昨年のカンヌ国際映画祭で「フォックスキャッチャー」が上映されるや、その変貌ぶりでキャリア新境地と高評価されていたスティーヴ・カレル。早くからアカデミー賞最有力の呼び声が高かったが、コメディー俳優としての出自を不安視する声も多かった。事実、アカデミー賞はコメディーというジャンル自体に理解がなく、傑作とされるコメディー映画でもアカデミー賞で評価されることは稀。また、そのジャンルで活躍してきた俳優にもつらくあたる傾向にある。代表的なのがコメディー俳優としての絶頂期に演技派への転身を図ったジム・キャリー。「トゥルーマン・ショー」「マン・オン・ザ・ムーン」では巨匠監督と組んで演技力を高く評価されたが、アカデミー賞では不自然なほどの無視を食らった。そのキャリーとは共演経験もあるカレルも同じカテゴリーの俳優としての会員に認識されているはずで、ノミネートへの壁は決して低くなかったに違いない。高いハードルを越えて勝ち取ったノミネートはすでにオスカー像と同等の価値があると言っていい。

【予想】
◎マイケル・キートン(バードマン)
○エディ・レッドメイン(博士と彼女のセオリー)
△ブラッドリー・クーパー(アメリカン・スナイパー)


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