ニューヨーク映画批評家協会賞を制したのはトッド・ヘインズ監督作「キャロル」!!
数ある批評家賞のなかでももっとも歴史が古く権威ある賞であるニューヨーク映画批評家協会賞が今年一番の映画に選んだのは、50年代ニューヨークを舞台に2人の女性の恋物語を描いた「キャロル」。トッド・ヘインズ監督作は「エデンより彼方に」に続いて2度目の受賞となる。同賞受賞作は過去10年で9本がアカデミー賞作品賞にノミネートされており、うち3本が受賞を果たしている。もっとも、玄人受けする作品が選出されやすく、決してアカデミー賞との相性がいいとは言えない賞で、過去20年まで振り返るとアカデミー賞との一致は15/20とやや数字を落とす。しかも、一致しなかった5本のうち1本がトッド・ヘインズ監督作「エデンより彼方に」であるという事実もあり、今回の受賞作「キャロル」も決してオスカー候補安泰とは言えない。
主演男優賞を受賞したのは「Spotlight」のマイケル・キートン。オスカー戦線では助演部門でプッシュされる予定で、部門をまたいでの票割れが懸念される。女優賞は主演・助演ともに「キャロル」以外からの選出という結果に。作品の評価からすればケイト・ブランシェット&ルーニー・マーラのW受賞があっておかしくないが、ここは一作品による独占を避けたバランス調整とも推測できる。
■作品賞
★キャロル(監督:トッド・ヘインズ)
■監督賞
★トッド・ヘインズ(キャロル)
■主演男優賞
★マイケル・キートン(Spotlight)
■主演女優賞
★シアーシャ・ローナン(Brooklyn)
■助演男優賞
★マーク・ライランス(ブリッジ・オブ・スパイ)
■助演女優賞
★クリステン・スチュワート(アクトレス 女たちの舞台)
■脚本賞
★フィリス・ナジー(キャロル)
■撮影賞
★エドワード・ラックマン(キャロル)
■第一回作品賞
★サウルの息子(監督:ラースロー・ネメス)
■アニメーション映画賞
★インサイド・ヘッド
■外国語映画賞
★禁じられた歌声(モーリタニア)
■ドキュメンタリー映画賞
★ジャクソン・ハイツ
◆特別賞
★ウィリアム・ベッカー、ヤヌス・フィルム
★エンニオ・モリコーネ