第89回アカデミー賞ノミネーション発表！「ラ・ラ・ランド」が最多13部門14賞ノミネート！！
前哨戦でも独走を見せていた「ラ・ラ・ランド」が大方の予想通り最多ノミネートの称号を手にした。作品、監督、主演男優、主演女優などを含む計13部門１４賞（主題歌賞に２曲）ノミネート。これまでの最多記録14部門に次ぐ大量ノミネートで他を圧倒した。ちなみに過去、最多14部門にノミネートされた「タイタニック」（１９９７）は、史上最多タイとなる11部門を受賞している。
各部門でいろいろな驚きがあったが、まず注目すべきは演技賞部門での黒人俳優たちの躍進。ここ2年連続で黒人俳優が一人もノミネートされなかったことで、“Oscars So White”（白人だらけのオスカー）と揶揄され、ウィル・スミスら影響力あるスターたちが授賞式の参加をボイコットする事件にまで発展。その後、アカデミー協会会長がこの問題に対する解決策を提示し、“多様性”という言葉を使ってアカデミー賞のあるべき未来像を提示した。その翌年、演技賞部門で実に6人もの黒人俳優がノミネートされ、史上初めてすべての演技賞部門（主演男優、主演女優、助演男優、助演女優）で黒人俳優がノミネートされるという快挙を成し遂げたのだから、さすがに問題に対する反動があったと見るべきだろう。
一方、その余波を受けて（？）演技賞ノミネートを逃した面々も。主演女優部門でノミネート確実と思われたエイミー・アダムス（メッセージ）がまさかの落選。前哨戦実績で寄せ付けなかったルース・ネッガ（ラビング 愛という名のふたり）に逆転を許した。
また、助演男優部門のヒュー・グラント（マダム・フローレンス！ 夢見るふたり）もノミネートを期待されたが惜しくも落選。マイケル・シャノン（Nocturnal Animals）が大方の予想を裏切ってサプライズ候補入りを果たしたが、シャノンは昨年、同じようにこの部門でノミネートを確実視されながら落選するという憂き目にあっている。グラントにも次回作への奮起を期待したい。
個人的に注目していた「デッドプール」はまさかの！？というか、やっぱり！？の完全無視。少なくともメーキャップ＆ヘアスタイリング賞、録音賞などの技術部門で取り上げられるかと思ったが、異色ヒーロー映画に対するアカデミーの態度はわかりやすいほどに明快だった。まあ、賞で祝ってもらうような映画じゃないことは間違いないので、この結果でよかった気もする。
日本人としての注目は遠藤周作の原作をマーティン・スコセッシ監督が映像化した「沈黙 -サイレンス-」、および3本がエントリーした長編アニメ映画賞部門。残念ながら前者は撮影賞のノミネートにとどまり、期待されたイッセー尾形の助演男優賞ノミネートはならなかった。長編アニメ部門では「レッドタートル ある島の物語」が見事にノミネートを獲得。スタジオジブリ配給は昨年の「思い出のマーニー」に続き2年連続での同部門ノミネートとなった。
■サプライズ
・作品賞：「Hidden Figures」ノミネート！！！
・助演男優賞：マイケル・シャノン（Nocturnal Animals）ノミネート！！！
・脚本賞：「ロブスター」ノミネート！！！
・脚本賞：「20 Century Women」ノミネート！！！
・「沈黙 -サイレンス-」が撮影賞以外沈黙！！！
・視覚効果賞「Kubo and the Two Strings」ノミネート！！！（アニメで視覚効果賞）
・「デッドプール」完全無視！！！！！！！！！！
