【第89回アカデミー賞最終予想】作曲賞、主題歌賞
■作曲賞
○ミカ・レヴィ(ジャッキー/ファーストレディ 最後の使命)
◎ジャスティン・ハーウィッツ(ラ・ラ・ランド)
ダスティン・オハローラン、フォルカー・バーテルマン(LION/ライオン 25年目のただいま)
ニコラス・ブライテル(ムーンライト)
▲トーマス・ニューマン(パッセンジャーズ)
昨年は88歳の生き字引エンニオ・モリコーネが初受賞を果たすというドラマに沸いたが、今年は初ノミネートとなる4人の新鋭を13回のノミネート実績を誇る重鎮が迎え撃つ構図となった。その重鎮トーマス・ニューマンは13回ノミネートされながら受賞ゼロという不遇を囲っており、もし受賞となれば昨年に続くドラマチックな展開ということになる。
ただし、今年の受賞大本命は「ラ・ラ・ランド」のジャスティン・ハーウィッツ。主題歌賞にノミネートされた2曲のほか、全編を彩る音楽を手がけた功績は他を圧倒している。よほどのことがない限り逆転が起こることはないだろう。
■主題歌賞
ジャスティン・ハーウィック、ベンジ・パセック、ジャスティン・ポール “Audition (The Fools Who Dream)”(ラ・ラ・ランド)
▲ジャスティン・ティンバーレイク、マックス・マトリン、シェルバック “Can’t Stop the Feeling!”(Trolls)
◎ジャスティン・ハーウィック、ベンジ・パセック、ジャスティン・ポール “City of Stars”(ラ・ラ・ランド)
J・ラルフ、スティング “The Empty Chair”(Jim: The James Foley Story)
○リン・マニュエル・ミランダ “How Far I’ll Go”(モアナと伝説の海)
前哨戦実績からすれば答えは簡単、「ラ・ラ・ランド」の”City of Stars”で決まりだ。もう1曲”Audition (The Fools Who Dream)”がノミネートされていることで票割れの危険も指摘されるが、おそらく”City of Stars”のほうに票が集中することになるだろう。作品の核となる曲であり、シンプルでわかりやすいメロディも耳に残りやすい。2人の主演俳優が美声を響かせ、誰もが好きにならずにいられない名曲だ。
これに対抗しうるのはディズニーアニメ「モアナと伝説の海」の”How Far I’ll Go”のみだろう。何と言っても作詞作曲したリン・マニュエル・ミランダの勢いは全米でも屈指。昨年のトニー賞で11部門を受賞した舞台「ハミルトン」で注目を浴びたミランダはいまハリウッドだけでなく世界中が熱い視線を送る人物だけに、彼のネームバリューで多くの票を獲得することになってもおかしくない。