【第89回アカデミー賞最終予想】作品賞
【作品賞】 大本命「ラ・ラ・ランド」の受賞はほぼ間違いなし。焦点はアカデミー史上最多受賞の達成なるかどうか?
メッセージ
Fences
ハクソー・リッジ
最後の追跡
Hidden Figures
◎ラ・ラ・ランド
LION/ライオン 25年目のただいま
マンチェスター・バイ・ザ・シー
ムーンライト
昨年は最多ノミネートの「レヴェナント 蘇えりし者」、みんなが応援していた「マッドマックス 怒りのデス・ロード」、そして前哨戦実績で勝る小品「スポットライト 世紀のスクープ」が大混戦を繰り広げ、まさに最後の瞬間までどの作品が受賞するかわからなかった。まさにスリル満点といった感じだったが、今年はそんなスリルを味わう事態にはならないだろう。
受賞予想、ということで言えば多く語ることはない。史上最多13部門14賞にノミネートされた大本命「ラ・ラ・ランド」が圧倒的な優位を保ったまま勝利するのは間違いない。
焦点はもはや、「ラ・ラ・ランド」がどこまで大差をつけてゴールするかにある。目指すは11部門の最多受賞記録だ。過去に11部門での最多受賞を成し遂げたのは3作品。「ベン・ハー」(1959)、「タイタニック」(1997)、そして「ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還」(2003)。いずれも多額の予算をかけた超大作で、技術賞部門で多くの賞を受賞している。予算額こそこれら大作とは比べるべくもないが、「ラ・ラ・ランド」もスケール感の大きな王道エンターテインメントだ。これら大作群と肩を並べるポテンシャルはある。
受賞確率が高い順に各部門を並べてみよう。
【高】作品、監督、主演女優、撮影、編集、美術、衣装デザイン、作曲、主題歌、録音
【中】脚本、音響編集
【低】主演男優
下馬評でも大半の部門で本命視されており、オスカーノユクエでも【高】の10部門で◎を打っている。もしその10部門すべてを受賞したら、
ミュージカル映画の先達「ウエスト・サイド物語」に並ぶ快挙となり、【中】のうち1部門でも足せれば史上最多タイとなる11部門、2部門とも足せたら単独史上最多の12部門という偉業達成となる。
予想のスリルこそ味わえないが、アカデミー賞史上に残る大記録の達成を目撃する興奮にありつけるかもしれない。