作品賞 | 監督賞 | 主演男優賞 | 主演女優賞 | 助演男優賞 | 助演女優賞
脚本賞 | 脚色賞 | 撮影賞| 編集賞 | 美術賞 | 衣装デザイン賞
作曲賞 | 主題歌賞 | メーキャップ賞 | 録音賞 | 音響編集賞 | 視覚効果賞
国際長編映画賞 | 長編アニメーション映画賞 | 短編アニメーション映画賞
長編ドキュメンタリー映画賞 | 短編ドキュメンタリー映画賞 | 短編実写映画賞
脚本賞 | 脚色賞 | 撮影賞| 編集賞 | 美術賞 | 衣装デザイン賞
作曲賞 | 主題歌賞 | メーキャップ賞 | 録音賞 | 音響編集賞 | 視覚効果賞
国際長編映画賞 | 長編アニメーション映画賞 | 短編アニメーション映画賞
長編ドキュメンタリー映画賞 | 短編ドキュメンタリー映画賞 | 短編実写映画賞
作品賞 |
【予想ポイント】 |
プレファレンシャルバロットの影響 第83回(2010年)に作品賞ノミネートが10本に拡大された年から、最優秀賞を決める投票の方式が変更された。1位の作品だけに投票するのではなく、1位〜10位まで順位をつけて投票するという方式で、その集計方法も変わっている(説明が難しいので省略)。大雑把に言えば、これによって「好き嫌いが分かれるが突出した魅力のある映画」よりも、「平均点が高く嫌われない映画」が受賞しやすくなった。また、この投票形式の影響で作品賞と監督賞の一致率が50%以下まで下がっている。 →好き嫌いの分かれる「ワンス〜」、外国語映画=ハンデを背負った「パラサイト」には不利か。一方、嫌われる要素の少ない「1917」には有利? |
製作費が小さいほうが有利 過去10年、下馬評人気の高かった上位2作品の製作費に着目すると、製作費の少ない方の作品が受賞する確率は70%。上位2作品ともに低予算の場合も含めると90%にのぼる。つまり、アカデミー会員はお金がかかっていない方の映画に肩入れする傾向にある。「そりゃ金使えばいいものできるだろ」という心の叫び? →今年は「1917」1億ドル、「ワンス」9000万ドルとともに大予算映画。「パラサイト」1100万ドルに票が流れる? |
投票前時点での興行収入が少ない方が有利 こちらも過去10年の上位作品で比較すると、興収で劣る作品が受賞する確率が60%。最も興収が低い「ハート・ロッカー」が1640万ドルで、その年は投票時点で6億ドルを稼いでいた「アバター」を破っての受賞となった。「もう十分儲けてるからいいだろ」という心の叫び? →今年は「1917」1億ドル、「ワンス」1.4億ドルとともに大ヒット。「パラサイト」3100万ドルに票が流れる? |
監督賞との一致率 作品賞と監督賞は一致するというのが定説だったが、ここ10年でその常識は完全に覆された。一致率はここ10年で50%。ここ7年だとアレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ(バードマン)、ギレルモ・デル・トロ(シェイプ)の2人しか一致していない。 |
オリジナル脚本のほうが有利 オリジナル脚本不足が嘆かれるハリウッドの現状を反映してか、アカデミー会員たちはオリジナル脚本の作品に票を投じる傾向にある。過去10年、オリジナル脚本の受賞作が7本(脚色が3本)。 →「1917」「パラサイト」「ワンス」に有利なデータ。 |
編集賞ノミネートが最低条件 編集賞にノミネートされずに作品賞を受賞するケースは稀。過去10年で例外は「バードマン」のみだが、“ワンカット撮影”が編集要らずとの誤解を受けた可能性。 →今年の「1917」も同じ理由でノミネートされていないが例外扱いでOK。一方、「ワンス〜」には致命的なデータ。 |
トロント国際映画祭観客賞 過去10年、トロント観客賞を受賞した英語作品(2011年を除く9作品)がアカデミー賞で作品賞を受賞したのは3回。無冠に終わったことは1度もない。 →6部門で候補の「ジョジョ・ラビット」も何らかの部門で受賞する可能性大。 |
【前哨戦】主要賞 組合賞 :1917 命をかけた伝令 ゴールデングローブ:1917 命をかけた伝令、ワンス・アポン・ア・タイム〜 ブロードキャスト :ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド 英国アカデミー賞 :1917 命をかけた伝令 |
歴史的瞬間に立ち会いたい 韓国映画「パラサイト 半地下の家族」が受賞すれば、外国語映画として史上初めての作品賞受賞となる。92年の長きにわたるアカデミー賞の歴史において、最も象徴的で素晴らしい快挙達成となるその瞬間を、ぜひ興奮の中で体験したい。予想どうこうよりも期待の気持ちを込めて「パラサイト 半地下の家族」に一票。 |
監督賞 |
予想 | 前哨戦 | ノミニー ※並びは予想サイトGoldDerbyでの人気順 |
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【予想ポイント】 |
外国人が有利 過去10年、アメリカ人が受賞したのは2回のみ(ビグロー、チャゼル)。メキシコ人5回、イギリス、台湾、フランス各1回。 →イギリス人のサム・メンデス、韓国人のポン・ジュノに有利なデータ。 |
「2回目の壁」崩壊 すでに1回とってるから不利、という傾向は今はもうない。ただし、3回以上受賞している監督は歴史上3人だけなのでここに壁がある。 →1回受賞しているサム・メンデス、マーティン・スコセッシに障害はない。 |
脚本を兼ねている方が有利 ここ6年連続で脚本を兼ねている監督が受賞。 →脚本を書いていないマーティン・スコセッシには不利なデータ。 |
【前哨戦】主要賞 組合賞 :サム・メンデス(1917 命をかけた伝令) ゴールデングローブ:サム・メンデス(1917 命をかけた伝令) ブロードキャスト :サム・メンデス(1917 命をかけた伝令) 英国アカデミー賞 :サム・メンデス(1917 命をかけた伝令) |
ポン・ジュノの受賞を期待しつつ あわよくば作品賞と監督賞の両方で「パラサイト 半地下の家族」快挙を期待したいところだが、主要前哨戦すべてを制したサム・メンデスを逆転するのは難しそう。それに、どちらかを受賞するなら、作品賞であってほしいという気持ちも強い。デビュー作「ほえる犬は噛まない」以降、ずっとポン・ジュノ監督作品のファンだった身からすれば、監督賞もぜひとってほしいが、もうひとつよくばって作品賞受賞の快挙が見たい。 |
主演男優賞 |
予想 | 前哨戦 | ノミニー ※並びは予想サイトGoldDerbyでの人気順 |
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【予想ポイント】 |
前哨戦実績通りならホアキンvsアダム ホアキン・フェニックスが最重要前哨戦となる3賞(俳優組合賞、ゴールデングローブ賞、ブロードキャスト映画批評家協会賞)を総なめ。ただし、前哨戦全般を通して受賞数がもっとも多かったのはアダム・ドライバー。特に批評家賞で愛された。 →重要賞を制したホアキンが有利だが、ドライバー逆転のチャンスもあり。 |
キャリアが評価される? 長いキャリアを誇るホアキン・フェニックスは今回4度目のノミネート。「グラディエーター」での初ノミネートからすでに20年近くが経過。そろそろ受賞してもいいころ。 |
今もっともアツい男 賛否両論だった「スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け」だが、アダム・ドライバーに対する評価だけは一貫して高かった。昨年の「ブラック・クランズマン」に続いての連続ノミネートで、今もっとも注目される俳優のひとりであることは間違いない。 |
ドン・キホーテな2人 奇しくも「テリー・ギリアムのドン・キホーテ」で共演したアダム・ドライバーとジョナサン・プライスがそれぞれ別の映画で仲良くノミネート。ギリアム監督の執念で完成した話題作を鑑賞したアカデミー会員も少なからずいるはずで、多少なりとも投票への影響があるかもしれない。 |
【前哨戦】主要賞 組合賞 :ホアキン・フェニックス(ジョーカー) ゴールデングローブ:ホアキン・フェニックス(ジョーカー) ブロードキャスト :ホアキン・フェニックス(ジョーカー) 英国アカデミー賞 :ホアキン・フェニックス(ジョーカー) |
主演女優賞 |
予想 | 前哨戦 | ノミニー ※並びは予想サイトGoldDerbyでの人気順 |
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【予想ポイント】 |
白すぎるオスカーの影響は? 今年のオスカーもまた白人の候補者が多くを占めており、白すぎるオスカー再びと揶揄されている。実際、この主演女優賞部門でも有力視されていたルピタ・ニョンゴ(アス)が候補落ちする波乱が起きている。 →演技賞部門で唯一の有色人種となったシンシア・エリヴォに票が集まる可能性。 |
主演&助演のダブルノミネートで票割れ? 主演女優&助演女優の両部門でノミネートを受けたのは過去に8人。うち4人が無冠に終わっている。よほど一方の部門が強くないと、票割れの危険は避けらない。 →今年のスカーレット・ヨハンソンは主演>助演の勢力図だが多少の票割れはありそう。 |
【前哨戦】主要賞 組合賞 :レニー・ゼルウィガー(ジュディ 虹の彼方に) ゴールデングローブ:レニー・ゼルウィガー(ジュディ 虹の彼方に) ブロードキャスト :レニー・ゼルウィガー(ジュディ 虹の彼方に) 英国アカデミー賞 :レニー・ゼルウィガー(ジュディ 虹の彼方に) |
助演男優賞 |
予想 | 前哨戦 | ノミニー ※並びは予想サイトGoldDerbyでの人気順 |
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【予想ポイント】 |
タランティーノ映画は有利 タランティーノ監督作からは過去7回の演技賞ノミネートが生まれており、うち2回(ともにクリストフ・ヴァルツ)で受賞している。印象的なセリフの多いタランティーノ作品は役者にとってオイシイ役で、会員たちからの支持も得やすい。 助演女優賞:ジェニファー・ジェイソン・リー(ヘイトフル・エイト) 助演男優賞:クリストフ・ヴァルツ(ジャンゴ 繋がれざる者) 助演男優賞:クリストフ・ヴァルツ(イングロリアス・バスターズ) 助演男優賞:ロバート・フォスター(ジャッキー・ブラウン) 主演男優賞:ジョン・トラヴォルタ(パルプ・フィクション) 助演男優賞:サミュエル・L・ジャクソン(パルプ・フィクション) 助演女優賞:ユマ・サーマン(パルプ・フィクション) →4度目のノミネートとなるブラッド・ピットがキャリア最大のチャンス。 |
ベテランが強い部門 もともとベテランの受賞が多い部門だが、今年も大物たちが続々とノミネート。19年ぶりのトム・ハンクス、22年ぶりのアンソニー・ホプキンス、27年ぶりのアル・パチーノ、29年ぶりのジョー・ペシ。4人とも受賞歴のある大ベテラン。 →逆に受賞歴のないブラッド・ピットに票が集まりそう。 |
主演みたいな助演 ほぼ主演みたいなものなのに何故か助演部門にエントリーしている場合が多々あるが、出番が多ければ当然印象にも残って票も集まりやすい。近年ではマハーシャラ・アリ(グリーンブック)、J・K・シモンズ(セッション)、クリストフ・ヴァルツ(ジャンゴ 繋がれざる者)などがほぼ全編出ずっぱりの主演みたいな助演だった。 →ほぼ出ずっぱりのブラッド・ピット、アンソニー・ホプキンスには良いデータ。 |
【前哨戦】主要賞 組合賞 :ブラッド・ピット(ワンス〜) ゴールデングローブ:ブラッド・ピット(ワンス〜) ブロードキャスト :ブラッド・ピット(ワンス〜) 英国アカデミー賞 :ブラッド・ピット(ワンス〜) |
助演女優賞 |
予想 | 前哨戦 | ノミニー ※並びは予想サイトGoldDerbyでの人気順 |
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【予想ポイント】 |
新進女優にやさしい部門 パティ・デューク、テイタム・オニール、アンナ・パキン、マリサ・トメイ、アリシア・ヴィキャンデルなど、子役あるいは突如現れた新星に期待値をこめて賞が贈られることが多々ある。 →躍進めざましい24歳フローレンス・ピューにとっては良いデータ。 |
ダブルノミネートの場合は助演で受賞する確率が高い 過去8人のうち受賞に至ったのは4人。うち3人は助演賞。半数は無冠に終わるが、受賞するなら助演賞の確率が高い。 →スカーレット・ヨハンソンはこちらの部門のほうがチャンスあり? |
【前哨戦】主要賞 組合賞 :ローラ・ダーン(マリッジ・ストーリー) ゴールデングローブ:ローラ・ダーン(マリッジ・ストーリー) ブロードキャスト :ローラ・ダーン(マリッジ・ストーリー) 英国アカデミー賞 :ローラ・ダーン(マリッジ・ストーリー) |
脚本賞 |
予想 | 前哨戦 | ノミニー ※並びは予想サイトGoldDerbyでの人気順 |
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【予想ポイント】 |
脚本兼監督のほうが有利 ここ8年連続で監督が執筆した脚本が受賞。 →今年のノミニーは全員該当。ただし、連名のサム・メンデスはやや不利? |
セリフ<映像の作品は不利 作品賞を受賞または有力視されながら脚本賞を逃したのが、「ROMA/ローマ」「シェイプ・オブ・ウォーター」「ラ・ラ・ランド」「グランド・ブダペスト・ホテル」「アーティスト」「インセプション」など。物語やセリフよりも映像面での話題が大きかった作品が賞を逃す傾向にある。 →まさに映像面で話題の「1917 命をかけた伝令」には不利なデータ。 |
タランティーノが最多タイに並ぶか? この部門で3回ノミネート2回受賞。過去2回受賞は4人しかいない。 2回:ビリー・ワイルダー「サンセット大通り」「アパートの鍵貸します」 2回:パディ・チャイエフスキー「ホスピタル」「ネットワーク」 2回:チャールズ・ブラケット「タイタニックの最期」「サンセット大通り」 3回:ウディ・アレン「アニー・ホール」「ハンナとその姉妹」「ミッドナイト・イン・パリ」 →今回受賞となればウディ・アレンに並ぶことになり、アカデミーはタランティーノを歴史上最高の脚本家と認定するに等しい。 |
外国語作品の受賞は稀 外国語作品の受賞は過去数回。前回は2002年「トーク・トゥ・ハー」(スペイン)まで遡る。また、過去10年でアメリカ人以外の脚本家が受賞したのは1回だけ(アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ「バードマン」)。 →ポン・ジュノには決して有利とは言えないデータ。 |
【前哨戦】主要賞 組合賞 :パラサイト 半地下の家族 ゴールデングローブ:ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド ブロードキャスト :ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド 英国アカデミー賞 :パラサイト 半地下の家族 |
脚色賞 |
予想 | 前哨戦 | ノミニー ※並びは予想サイトGoldDerbyでの人気順 |
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【予想ポイント】 |
脚本賞よりも監督兼任率が低い 監督が書いた脚本がこの部門を制しているのは過去10年で4回。脚本賞部門よりもその率は低い。 →スティーヴン・ザイリアン(アイリッシュマン)、アンソニー・マクカーテン(2人のローマ教皇)にもチャンスあり。 |
連名よりも1人で書いたほうが有利? 過去10年で単独脚本の受賞は6回。 →連名の「ジョーカー」にはやや不利なデータ。 |
最多受賞タイに並ぶか? 脚色賞部門では2回の受賞が最多。フランシス・コッポラ、アレクサンダー・ペインなど大物の名前が並ぶ。 →スティーヴン・ザイリアン(アイリッシュマン)が受賞すれば最多タイに並ぶ。 |
【前哨戦】主要賞 組合賞 :ジョジョ・ラビット 英国アカデミー賞:ジョジョ・ラビット |
撮影賞 |
予想 | 前哨戦 | ノミニー ※並びは予想サイトGoldDerbyでの人気順 |
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【予想ポイント】 |
技術を評価する傾向 「アバター」「ゼロ・グラビティ」の受賞に代表されるように、視覚効果と組み合わせて世界を構築するタイプの映画が高く評価される傾向にある。長年、無冠だった巨匠ロジャー・ディーキンスもSF作品「ブレードランナー 2049」でようやく初オスカーを手にした。 →ワンカット撮影という技術面がフィーチャーされている「1917」には有利なデータ。 |
巨匠が2度目の受賞? 撮影賞部門の最多ノミネートは18回、最多受賞は4回。本命視されている巨匠ロジャー・ディーキンスは今回15回目のノミネート。一昨年、14度目の正直でようやく初戴冠となったものの、受賞が1回だけというのは巨匠の功績に見合わない評価。 →ロジャー・ディーキンスの2度目の受賞に異論ある者はいない。 |
国際色豊かな部門 撮影賞も世界各国の才能が評価されるグローバルな部門。過去10年ではメキシコ人×4回、チリ人、スウェーデン人が受賞を果たしている。 →メキシコ出身ロドリゴ・プリエトには有利なデータ。 |
モノクロ撮影がトレンド? 昨年はモノクロ撮影の作品が2本ノミネートされるという珍しい結果に。うち1本の「ROMA ローマ」が受賞しており、モノクロ撮影がトレンドとなった。 →モノクロでしかも画角も特殊な「The Lighthouse」に注目が集まる。 |
【前哨戦】主要賞 組合賞 :1917 命をかけた伝令 ブロードキャスト:1917 命をかけた伝令 英国アカデミー賞:1917 命をかけた伝令 |
編集賞 |
予想 | 前哨戦 | ノミニー ※並びは予想サイトGoldDerbyでの人気順 |
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【予想ポイント】 |
作品賞との符号率が高い…? 近年、編集賞と作品賞の一致率はむしろ低い。過去10年で一致したのは「ハート・ロッカー」と「アルゴ」の2回だけ。 →作品賞部門でやや不利な「フォードvsフェラーリ」にも十分にチャンスあり。 |
アクション要素を重視 戦争映画などアクション要素の強い作品が強い。ここ10年で「ハクソー・リッジ」「ダンケルク」「ハート・ロッカー」「マッドマックス 怒りのデス・ロード」などが受賞。 →「フォードvsフェラーリ」には有利なデータ。 |
組合賞との一致率は高い 最重要視される前哨戦、アメリカ編集監督組合賞(エディー賞)との一致率は高い。過去10年で6作品がオスカーと一致。例外はいずれもカットの細かい作品。 →今年のエディー賞受賞は「ジョジョ・ラビット」「パラサイト」だが…? |
セルマ・スクーンメイカーが単独最多受賞者となるか? 8回目のノミネートで4回目の受賞なれば歴代最多。マイケル・カーンなど4人が3回受賞で並んでいる。 →「アイリッシュマン」で受賞なれば単独最多受賞。 |
外国語映画の受賞は稀 外国語映画の受賞は1969年の「Z」まで遡る。 →「パラサイト」には不利なデータ。 |
【前哨戦】主要賞 組合賞 :パラサイト 半地下の家族、ジョジョ・ラビット 英国アカデミー賞:1917 命をかけた伝令 |
美術賞 |
予想 | 前哨戦 | ノミニー ※並びは予想サイトGoldDerbyでの人気順 |
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【予想ポイント】 |
衣装デザイン賞との一致は50% 過去10年で5回一致。「アリス・イン・ワンダーランド」「華麗なるギャツビー」「グランド・ブダペスト・ホテル」「マッドマックス」「ブラックパンサー」一致した作品はいずれも美術と衣装合わせてファンタジー要素を含めて新しい世界観を作った作品。 →「ジョジョ・ラビット」は新しい世界観を実現。1969年を再現した「ワンス〜」は? |
ファンタジーorピリオドは拮抗。ファンタジー色のあるピリオドが強い。 想像を羽ばたかせる“ファンタジー”ジャンルと、史実を再現する“ピリオド”ジャンルはどちらも人気。過去10年でファンタジーが4回、ピリオドが6回受賞。ここ2年はファンタジーが受賞している。 ファンタジーでの主な受賞作は「ブラックパンサー」「マッドマックス 怒りのデス・ロード」「アバター」。ピリオドでの主な受賞作は「シェイプ・オブ・ウォーター」「ラ・ラ・ランド」「グランド・ブダペスト・ホテル」。 ピリオドでもややファンタジー色のある作品が受賞する傾向にある。 →ファンタジー色あるピリオドと言えば「ジョジョ・ラビット」 |
衣装デザイン賞にもノミネートされている作品が圧倒的に強い 過去10年、衣装デザイン賞にノミネートされず美術賞を受賞したのは「アバター」のみ。 →衣装デザイン賞にノミネートされていない「1917」「パラサイト」には不利なデータ。 |
【前哨戦】主要賞 組合賞 :ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド、パラサイト 半地下の家族 ブロードキャスト:ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド 英国アカデミー賞:1917 命をかけた伝令 |
衣装デザイン賞 |
予想 | 前哨戦 | ノミニー ※並びは予想サイトGoldDerbyでの人気順 |
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【予想ポイント】 |
毎回ノミネートされる人気デザイナーが多い この部門だけで10回以上ノミネートされている衣装デザイナーが10人も。人気デザイナーが有力作品をかけもちするケースが多々あり、毎年同じような名前が候補に挙がりやすい。今年も15回目のノミネートとなるサンディ・パウエル(アイリッシュマン)、7回目のジャクリーヌ・デュラン(ストーリー・オブ・マイライフ わたしの若草物語)、すでに2回受賞のマーク・ブリッジス(ジョーカー)などおなじみの顔ぶれ。過去10年、初ノミネートで戴冠したのは1人だけ(「アーティスト」のマーク・ブリッジス)。 →そんな中、初ノミネートのマイェス・C・ルベオ(ジョジョ・ラビット)がどこまで票を集められるか? |
ファンタジーorピリオド? 美術賞と同じく、過去10年でファンタジーの受賞が4回、ピリオドの受賞が6回と拮抗している。 →今年は全作品がピリオドに分類されるが、その中でファンタジー要素を多く含むものが評価されやすいのでは? |
美術賞にもノミネートされている作品が圧倒的に強い 過去10年、美術賞にノミネートされず衣装デザイン賞を受賞したのは「ファントム・スレッド」のみ。 →美術賞にノミネートされていない「〜若草物語」「ジョーカー」には不利なデータ。 |
【前哨戦】主要賞 組合賞 :ジョジョ・ラビット 英国アカデミー賞:ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語 |
作曲賞 |
予想 | 前哨戦 | ノミニー ※並びは予想サイトGoldDerbyでの人気順 |
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◎ | 55.0 pts |
ヒドゥル・グドナドッティル (ジョーカー) 過去実績:初候補 Main Themeを聴く |
|
---|---|---|---|
◯ | 45.3 pts |
トマス・ニューマン (1917 命をかけた伝令) 過去実績:候補14回/受賞0回 Main Themeを聴く |
|
36.3 pts |
アレクサンドル・デスプラ (ストーリー・オブ・マイライフ わたしの若草物語) 過去実績:候補10回/受賞2回 Main Themeを聴く |
||
33.9 pts |
ランディ・ニューマン (マリッジ・ストーリー) 過去実績:候補20回/受賞2回 Main Themeを聴く |
||
16.2 pts |
ジョン・ウィリアムズ (スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け) 過去実績:候補51回/受賞5回 Main Themeを聴く |
【予想ポイント】 |
もっとも多国籍な才能が集まる部門 近年の受賞者の国籍はスウェーデン、フランス、イタリア、イギリス、カナダ、アルゼンチン、インド、ポーランドとまさにグローバル。日本が誇る坂本龍一も「ラスト・エンペラー」でこの部門を制している。 →アイスランド出身ヒドゥル・グドナドッティル(ジョーカー)、フランス出身アレクサンドル・デスプラ(〜若草物語)にもチャンスあり。 |
無冠の帝王が悲願達成なるか? 14回ノミネートされながら未だ受賞がないトマス・ニューマン(1917 命をかけた伝令)。前哨戦ではトップを走ったが、このまま悲願達成となるか?ニューマン一族の先輩ランディも実は15回目のノミネートで初受賞を果たしている。 |
美術賞との意外な符号? 過去5年に絞ると、美術賞と作曲賞の符号率は実に80%。ここ3年続けて一致している(「ブラックパンサー」「シェイプ・オブ・ウォーター」「ラ・ラ・ランド」)。 →今年、両方の部門にノミネートされているのは「1917 命をかけた伝令」のみ。 |
撮影に大きな影響を与えたスコア 通常、映画のスコアは撮影終了後、編集段階で作られるものだが、その工程を逆転したのが「ジョーカー」。監督の求めに応じて、撮影が始まる前の段階で自由にイメージを羽ばたかせて作曲されたヒドゥル・グドナドッティルのスコアは、撮影現場で監督や主演のホアキン・フェニックスに数々のインスピレーションを与えたようだ。 →映画音楽の持つ力をさらに広げた功績は大きく、多くの票が集まりそう。 |
女性として3人目の受賞なるか? この部門で女性が受賞したのは過去に2回だけ。96年のレイチェル・ポートマン(Emma エマ)と97年のアン・ダッドリー(フル・モンティ)で、どちらも一時期“ミュージカル・コメディ映画音楽賞”が特設されていた際の受賞者。作曲賞としての統合したカテゴリーではまだ女性の受賞はない。 →「ジョーカー」のヒドゥル・グドナドッティルが受賞すれば史上初の単独“作曲賞”受賞者となる。 |
【前哨戦】主要賞 ゴールデングローブ:ジョーカー ブロードキャスト :ジョーカー 英国アカデミー賞 :ジョーカー |
主題歌賞 |
予想 | 前哨戦 | ノミニー ※並びは予想サイトGoldDerbyでの人気順 |
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◯ | 33.3 pts |
“I’m Gonna Love Me Again” (ロケットマン) [作曲]エルトン・ジョン [作詞]バーニー・トーピン 過去実績:候補1回/受賞1回 |
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---|---|---|---|
◎ | 23.8 pts |
“Stand Up” (ハリエット) [作曲・作詞]ジョシュア・ブライアン・キャンベル、シンシア・エリヴォ 過去実績:初候補 |
|
▲ | 24.0 pts |
“Into the Unknown” (アナと雪の女王2) [作曲・作詞]クリステン・アンダーソン=ロペス、ロバート・ロペス 過去実績:候補2回/受賞2回 |
|
12.5 pts |
“I Can’t Let You Throw Yourself Away” (トイ・ストーリー4) [作曲・作詞]ランディ・ニューマン 過去実績:候補20回/受賞2回 |
||
9.1 pts |
“I’m Standing With You” (Breakthrough) [作曲・作詞]ダイアン・ウォーレン 過去実績:候補6回/受賞0回 |
【予想ポイント】 |
大御所ダイアン・ウォーレンは今年もノミネート止まり? 今年63歳のダイアン・ウォーレンは今回7回目の主題歌賞ノミネート。これまで「マネキン」の“愛はとまらない”や、「アルマゲドン」の“ミス・ア・シング”など人気曲を送り出してきたがあと一歩のところで受賞を逃している。 →今年こそ…と言いたいところだが、対象作品の知名度も低く、今年もノミネート止まりとなりそう。 |
作品との関連性が高い楽曲が好まれる そもそもアカデミー賞へのエントリー資格として、作品との結びつきの深さが明記されているように、その深度が投票に与える影響は大きい。ここ3年の受賞作(「アリー スター誕生」「リメンバー・ミー」「ラ・ラ・ランド」)はいずれも劇中の重要なシーンで流れる楽曲で、物語との関わりは深い。 →エンドクレジットで流れる”I’m Gonna Love Me Again”(ロケットマン)には不利なデータ。 |
ビッグネームは役に立たない 前哨戦でもっとも支持されたのが“I’m Gonna Love Me Again”(ロケットマン)。エルトン・ジョンのネームバリューが効果を発揮している部分もあろうが、ことアカデミー賞ではそれが通用しない。過去、ビッグネームなシンガーたちが多く涙をのんでいる。 |
「アナ雪」の意外な不人気 長編アニメーション映画賞部門でのまさかの候補落ちが、この部門の投票に与える影響は少なくない。アナ雪支持層の投票がここに集中して良い方向に転がる可能性もあるが、そもそも作品がアカデミー会員の中でそれほど人気がないのが真実のような気もするので、この部門でも苦戦を強いられそうだ。前作の名曲と比較されてしまうのも辛いところ。 |
一番の名曲は“Stand Up”(ハリエット)? 個人的にもっとも惹かれたのが“Stand Up”(ハリエット)。シンプルで覚えやすいメロディーとシンシア・エリヴォの力強い歌声、そしてズシリと思いメッセージ。純粋に楽曲として一番好きなのはこれ。ぜひ受賞してほしい。 |
【前哨戦】主要賞 ゴールデングローブ:ロケットマン ブロードキャスト :ロケットマン |
メイクアップ&ヘアスタイリング賞 |
予想 | 前哨戦 | ノミニー ※並びは予想サイトGoldDerbyでの人気順 |
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【予想ポイント】 |
ヘアスタイリングの重要性 第84回授賞式で主演女優賞を受賞したメリル・ストリープが自身のヘアスタイリストに謝意を表明し、その技術に対する評価の機運が一気に高まった。結果、翌年からメイクアップ賞→メイクアップ&ヘアスタイリング賞と名称が変更され、今に至る。 →特に女優のヘアスタイリングにその技術が顕著に出やすく、「スキャンダル」「ジュディ 虹の彼方に」には良いデータ。 |
実在の人物に寄せる技術 過去10年のうち4回が実在の人物を再現するメイクアップ&ヘアスタイリングが評価されたものだった。マーガレット・サッチャー、ウィンストン・チャーチル、ディック・チェイニーなど、よく知られた人物を俳優とともに作り上げる工程が高く評価されている。 →実在のキャスター&権力者を再現した「スキャンダル」、「ジュディ 虹の彼方に」に有利なデータ。 |
ファンタジー系も強い 「スター・トレック」「マッドマックス 怒りのデス・ロード」「スーサイド・スクワッド」など特殊メイクによるクリーチャー造形なども高く評価されるポイント。娯楽映画だからといって低く評価されることはない。 →「ジョーカー」「マレフィセント2」にもチャンスあり。 |
【前哨戦】主要賞 組合賞:スキャンダル、ジョーカー ゴールデングローブ賞:スキャンダル ブロードキャスト批評:スキャンダル |
録音賞 |
予想 | 前哨戦 | ノミニー ※並びは予想サイトGoldDerbyでの人気順 |
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【予想ポイント】 |
音響編集賞とのダブル受賞が多い 過去10年で録音賞&音響編集賞をダブル受賞したのは7作品。かなりの高確率でダブル受賞を果たしている。 →音響編集賞にノミネートされていない「アド・アストラ」には不利なデータ。 |
戦争映画が受賞しやすい傾向 過去10年のうち3回が戦争映画の受賞(「ダンケルク」「ハクソー・リッジ」「ハート・ロッカー」)。 →「1917」には有利なデータ。 |
【前哨戦】主要賞 組合賞 :フォードvsフェラーリ 英国アカデミー賞:1917 命をかけた伝令 |
音響編集賞 |
予想 | 前哨戦 | ノミニー ※並びは予想サイトGoldDerbyでの人気順 |
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【予想ポイント】 |
戦争映画が受賞しやすい傾向 録音賞以上に戦争映画が受賞しやすい傾向。過去10年のうち4回で戦争映画が受賞(「ダンケルク」「アメリカン・スナイパー」「ゼロ・ダーク・サーティ」「ハート・ロッカー」)。 →「1917」には有利なデータ。 |
SF要素、アクション要素もプラス SFまたはアクション要素が多分に含まれる作品は受賞確率が高い。過去10年では「メッセージ」「マッドマックス 怒りのデス・ロード」「ゼロ・グラビティ」「007 スカイフォール」「インセプション」。 →「スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け」に有利なデータ。 |
【前哨戦】主要賞 組合賞:フォードvsフェラーリ |
視覚効果賞 |
予想 | 前哨戦 | ノミニー ※並びは予想サイトGoldDerbyでの人気順 |
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【予想ポイント】 |
製作費が大きいと不利? CGを大量に使った予算の大きな作品が必ずしも有利にはならない。昨年、「アベンジャーズ」や「スター・ウォーズ」を破って受賞したのは予算数分の1で作られた「ファースト・マン」。 →今年はどの映画も金がかかっているが、中でも一番予算の少ない「1917」がむしろ有利。 |
派手<ユニーク 見た目の派手さよりも技術的なユニークさが優先される。2015年の「エクス・マキナ」がその最たる例。「マッドマックス 怒りのデス・ロード」「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」「オデッセイ」ら見た目派手な大作を相手にサプライズ受賞を果たした。 →新技術で役者を若返らせた「アイリッシュマン」が有利? |
SFファンタジーは不利 近年、何でもありのSFファンタジー世界を描く作品は明らかに不利。視覚効果の代名詞とも言える「スター・ウォーズ」シリーズは84年「ジェダイの帰還」以降、受賞がない。過去10年の受賞作を見ても、リアルに根ざしたフィクション世界を実現した作品が強い。 →「スター・ウォーズ」「アベンジャーズ」には不利なデータ。 |
メモリアル受賞は? 長年続いたシリーズの最後を飾るメモリアル作品が2本ノミネート。「アベンジャーズ エンドゲーム」「スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け」ともにファンの多いシリーズだけに、メモリアル票が流れ込む可能性はある。 |
【前哨戦】主要賞 組合賞 :ライオン・キング ブロードキャスト:アベンジャーズ/エンドゲーム 英国アカデミー賞:1917 命をかけた伝令 |
国際長編映画賞 |
予想 | 前哨戦 | ノミニー ※並びは予想サイトGoldDerbyでの人気順 |
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【予想ポイント】 |
国別の実績 過去のノミネート・受賞実績が多い国はやはり票を集めやすい。世界で一番の実績を持つフランス(37-9)、常連国スペイン(19-4)、ポーランド(11-1)は、仮に人気が拮抗している年であれば実績を強みに優位に立っていたかもしれない。 →ただし今年は「パラサイト 半地下の家族」一強。 |
前哨戦は完全な一強状態 重要賞はもちろんほぼ全ての賞を「パラサイト 半地下の家族」が独占。昨年の「ROMA/ローマ」と同じレベルで賞を総なめした。 →「パラサイト」に隙なし。 |
カンヌとの相性は…? かつてはアカデミー賞とカンヌは水と油と言われたものだが、最近はむしろ相性がいい。パルムドールを受賞したフランスの「愛、アムール」他、イランの「セールスマン」やイタリアの「グレート・ビューティー/追憶のローマ」などカンヌで高い評価を得た作品がこの部門で受賞を果たしている。 →今年のカンヌでパルムドールを受賞した「パラサイト」も当然有力。 |
国際長編映画賞以外の部門にもノミネートされると? 時折、言語の壁を超えて、英語作品と並んで他の部門にもノミネートされる作品が出てくるが、それはイコールかなりの高評価を得ているということなので、国際長編映画賞部門では当然頭一つ抜きん出た存在ということになる。「ROMA/ローマ」「愛、アムール」「別離」「グリーン・デスティニー」など。 →作品賞・監督賞ほかで候補の「パラサイト」、主演男優賞にノミネートされた「ペイン・アンド・グローリー」は別格な存在。 |
長編アニメーション映画賞 |
予想 | 前哨戦 | ノミニー ※並びは予想サイトGoldDerbyでの人気順 |
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◯ | 102.7 pts |
トイ・ストーリー4 (ディズニー) |
|
---|---|---|---|
▲ | 64.0 pts |
ミッシング・リンク (ユナイテッド・アーティスツ) |
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◎ | 39.8 pts |
クロース (Netflix) |
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41.5 pts |
失くした体 (Netflix) |
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56.9 pts |
ヒックとドラゴン 聖地への冒険 (ユニバーサル) |
【予想ポイント】 |
ピクサーが圧倒的な実績 この部門で無類の強さを誇るのがピクサー。01年にこの部門が開設されて以来の18回で、実に半分の9回をピクサー作品が制している。ピクサーが01年以降に発表した映画も18本なので、受賞確率50%というとんでもない独占状態となっている。 →「トイ・ストーリー4」が今年も圧勝か? |
ディズニーの天下 ピクサーを含めディズニー製のアニメは全18回中12回受賞。特にこの10年に絞れば8作品が受賞と手がつけられない強さ。昨年、「スパイダーマン:スパイダーバース」が受賞するまで6年連続でディズニー作品が受賞していた。 →2年続けてディズニー作品が負ける確率は低い…? |
ゴールデングローブ賞で波乱 大本命「トイ・ストーリー4」を差し置いてゴールデングローブを受賞したのは「ミッシング・リンク」。ゴールデングローブ賞長編アニメ部門は06年に開設され、これまで13本の受賞作が生まれているが、うち10本がアカデミー賞を受賞している。例外は「カーズ」「タンタンの冒険/ユニコーン号の秘密」「ヒックとドラゴン2」。 →一致率76%の高確率だけに順当なら「ミッシング・リンク」受賞だが…? |
アニー賞でも波乱 アニメ映画の頂点を決めるアニー賞でもまさかの波乱。受賞したのはスペイン製のNetflix作品「クロース」。アニー賞とアカデミー賞を両方受賞したのは18作品中13作品で、こちらも一致率は約7割と高い。 →「クロース」が受賞すればNetflix作品としてはこの部門で初の受賞となる。 |
最もトレンドに合うのは…? スペイン製という点は「クロース」にとって有利。アメリカ製以外の作品が受賞したのは「千と千尋の神隠し」(日本)と「ウォレスとグルミット 野菜畑で大ピンチ!」(イギリス)だけだが、多様性が叫ばれる今、アニメの分野にもグローバル化が求められている。 また、映画が“分断”をテーマにしているのも時流に合っている。 |
長編ドキュメンタリー映画賞 |
予想 | 前哨戦 | ノミニー ※並びは予想サイトGoldDerbyでの人気順 |
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◎ | 53.8 pts |
アメリカン・ファクトリー (Netflix) |
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---|---|---|---|
◯ | 42.2 pts |
ハニーランド 永遠の谷 (Neon) |
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▲ | 47.7 pts |
娘は戦場で生まれた (PBS) |
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20.5 pts |
The Cave | ||
9.2 pts |
ブラジル 消えゆく民主主義 (Netflix) |
【予想ポイント】 |
大本命がノミネート落ち 前哨戦で独走した「アポロ11 完全版」がまさかのノミネート落ちするサプライズ。この部門ではたびたびこういったことが起きるが、今年もこれで本命不在の混戦模様となった。 →前哨戦で二番手につけていた「アメリカン・ファクトリー」が繰り上がりの本命候補。 |
国際長編映画賞とのダブルノミネート 北マケドニアのドキュメンタリー映画「ハニーランド 永遠の谷」が国際長編映画賞とのダブルノミネートという史上初の快挙を達成。 →あちらの部門には「パラサイト 半地下の家族」という大本命がいるので、受賞を狙うとしたらこちらの部門。 |
人気のジャンル ここ10年はアスリート系、ミュージシャン系、告発系の3ジャンルが人気。世界各地の戦争を描く作品群もノミネートはされているものの、受賞には至っていない。 →各国映画祭で話題の「娘は戦場で生まれた」には不利なデータ。 |
Netflix作品の受賞は? Netflix作品は特にこの部門で実績あり。2014年以来5年連続でノミネート作品を送り出し、2年前に「イカロス」で初受賞。今年も2本の有力作を送り出している。 →「アメリカン・ファクトリー」と「ブラジル 消えゆく民主主義」、前哨戦で実績を残したのは前者。 |
オバマ夫妻のプロデュース 「アメリカン・ファクトリー」はオバマ夫妻が設立した制作会社ハイヤー・グラウンドによる初めての作品。中国企業によって買収されたオハイオ州の工場で、中国人とアメリカ人労働者の衝突が描かれる。 →オバマ夫妻が関わる作品であることはアカデミー会員も承知。投票に影響を与えることは間違いない。民主党支持者が多いアカデミー会員だけに… |
短編アニメーション映画賞 |
予想 | 前哨戦 | ノミニー ※並びは予想サイトGoldDerbyでの人気順 |
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◎ | – pts |
Hair Love 全編動画を観る |
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---|---|---|---|
◯ | – pts |
Kitbull 全編動画を観る |
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▲ | – pts |
Sister 予告編を観る |
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– pts |
Memorable 予告編を観る |
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– pts |
Dcera (Daughter) 予告編を観る |
【予想ポイント】 |
視聴可能な作品が有利 短編映画は映画館で視聴できるチャンスが少ないだけに、Web上で視聴可能な作品が当然有利になる。現状、Webで全編動画を視聴できるのは「Hair Love」と「Kitbull」の2本。どちらも感涙を禁じえないエモーショナルな作品だが、よりポップで楽しい「Hair Love」が人気を集めそう。 |
中国の一人っ子政策 中国の一人っ子政策が生んだ悲劇を描く「Sister」も表現方法が独特で忘れがたい作品。長編ドキュメンタリー映画賞部門で有力視されながらノミネート落選した「一人っ子の国」支持者からの票も期待できる。 |
短編ドキュメンタリー映画賞 |
予想 | 前哨戦 | ノミニー ※並びは予想サイトGoldDerbyでの人気順 |
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◯ | – pts |
Learning to Skateboard in a Warzone (If You’re a Girl) 予告編を観る |
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---|---|---|---|
– pts |
St. Louis Superman 予告編を観る |
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◎ | – pts |
Walk Run Cha-Cha 全編動画を観る |
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– pts |
In the Absence 予告編を観る |
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▲ | – pts |
眠りに生きる子供たち 予告編を観る |
【予想ポイント】 |
視聴可能な作品は… Netflixで配信中の「眠りに生きる子供たち」とYouTubeで全編動画がアップされている「Walk Run Cha-Cha」はWeb上で視聴可能。奇しくも両者ともに移民についての話で、現在のアメリカの世相を反映したメッセージ性の強い作品になっている。 |
Netflixの得意部門 過去3年で5本のノミネートと2本の受賞作を送り出しているNetflixにとって、短編ドキュメンタリー映画賞は最も得意とする部門。いつでも視聴できるプラットフォームの優位性を遺憾なく発揮している。 →今年も「眠りに生きる子供たち」で受賞を狙う。 |
短編実写映画賞 |
予想 | 前哨戦 | ノミニー ※並びは予想サイトGoldDerbyでの人気順 |
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◎ | – pts |
The Neighbors’ Window 全編動画を観る |
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---|---|---|---|
– pts |
Brotherhood 予告編を観る |
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– pts |
Saria 予告編を観る |
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▲ | – pts |
A Sister 予告編を観る |
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◯ | – pts |
Nefta Football Club 全編動画を観る |
【予想ポイント】 |
視聴可能な作品は… YouTubeに全編動画がアップされている「The Neighbors’ Window」「Nefta Football Club」、ShortShorts onlineで「兄弟愛」のタイトルで配信されている「Brotherhood」が視聴可能。 |
共感しやすいドラマ 「The Neighbor’s Window」は向かいに住む若いカップルを羨む夫婦の物語。青く見える隣の芝はお互い様…というお話で、共感度が高い。 |
思わず頬がほころぶラスト 怪しい白い粉を偶然手に入れてしまった兄弟の物語を描く「Nefta Football Club」は、危ない橋を渡る兄弟の姿にハラハラしながら見ていると、ラストに思わず頬が緩んでしまうオチが。 |