第94回アカデミー賞全部門予想

※並びは米予想サイトGold Derbyでの人気順

作品賞
エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス(A24)
作品・監督・脚本・主演女優・助演男優・助演女優x2・編集・衣装・作曲・主題歌(10部門11賞)
イニシェリン島の精霊(Searchlight)
作品・監督・主演男優・助演男優x2、助演女優、脚本・編集・作曲(8部門9賞)
フェイブルマンズ(Universal)
作品・監督・主演女優・助演男優・脚本・美術・作曲(7部門)
トップガン マーヴェリック(Paramount)
作品・脚色・編集・主題歌・視覚効果・音響(6部門)
西部戦線異状なし(Netflix)
作品・脚色・撮影・美術・メイク・視覚効果・音響・作曲・国際長編(9部門)
TAR ター(Focus Features)
作品・監督・主演女優・脚本・撮影・編集(6部門)
エルヴィス(Warner Bros)
作品・主演男優・撮影・編集・美術・衣装・メイク・音響(8部門)
アバター:ウェイ・オブ・ウォーター(20th Century Studio)
作品・美術・視覚効果・音響(4部門)
逆転のトライアングル(Neon)
作品・監督・脚本(3部門)
ウーマン・トーキング 私たちの選択(United Artists)
作品・脚色(2部門)
【予想ポイント】
主要前哨戦実績(過去10年の一致率)
組合賞(70%):「エブエブ」
ゴールデン・グローブ賞(50%):「フェイブルマンズ」「イニシェリン島の精霊」
クリティクス・チョイス・アワード(30%):「エブエブ」
英国アカデミー賞(30%):「西部戦線異状なし」
特殊な投票方式がどう影響する?
1位の作品だけに投票するのではなく、1位〜10位まで順位をつけて投票するという方式。1位に選ぶ人も多いが下位に選ぶ人も多いという好き嫌いの分かれる作品よりも、2位3位に選ぶ人が多い平均点の高い作品が受賞する傾向。昨年も批評家に愛された「パワー・オブ・ザ・ドッグ」ではなく、みんなが大好きな「コーダ あいのうた」が選ばれている。好き嫌いが分かれそうな「エブエブ」には不利に働くかも?
トロント国際映画祭 観客賞
過去10年で「ノマドランド」「グリーンブック」「それでも夜は明ける」がオスカー受賞。今年の勝者は「フェイブルマンズ」。
女性が主人公の作品
「ノマドランド」「コーダ あいうのうた」と女性を主人公にした映画がここ2年続けて作品賞を受賞。今年は「エブエブ」「TAR」「ウーマン・トーキング」が対象。
最多ノミネート作品の強みは?
過去10年で最多ノミネート作品が作品賞を受賞したのは2回のみ。もはや最多ノミネート=作品賞本命ではなく、むしろ確率は低い。
「パワー・オブ・ザ・ドッグ」12−1
「Mank/マンク」 10−2
「ジョーカー」14−2
「ROMA」10−3「女王陛下のお気に入り」10−1
◎「シェイプ・オブ・ウォーター」13−4
「ラ・ラ・ランド」14−6
「レヴェナント: 蘇えりし者」12−3
◎「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」9-4「グランド・ブダペスト・ホテル」9-4
「アメリカン・ハッスル」10-0「ゼロ・グラビティ」10-7
「リンカーン」12−2
監督賞ノミネートなしだとノーチャンス?
監督賞ノミネートなしでの作品賞受賞は94回の歴史のなかでたったの6回のみだが、うち3回はこの10年の間に起きている。もはや必須条件ではない。
「つばさ」(1927/28)
「グランドホテル」 (1931/32)
「ドライビング・Miss・デイジー」(1989)
「アルゴ」(2012)
「グリーンブック」(2018)
「コーダ」(2021)
続編作品が受賞する可能性は?
続編が作品賞にノミネートされたのは今回で8回目&9回目。うち受賞は2回。1作目がノミネートされず2作目が受賞した例はない。
 「聖メリーの鐘」
◎「ゴッドファーザー PART II」
 「ゴッドファーザー PART III」
 「ロード・オブ・ザ・リング/二つの塔」
◎「ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還」
 「トイ・ストーリー3」
 「マッドマックス:怒りのデス・ロード」
?「トップガン マーヴェリック」
?「アバター:ウェイ・オブ・ウォーター」
メジャー配給会社は劣勢
過去20年、メジャースタジオが配給した作品の受賞は5回だけ。独立系配給会社のほうがはっきりと優位に立っている。
興行収入は少ないほうが有利
作品賞受賞作の平均興行収入は年々下がっている。1990年代には1億9000万ドルだったが、2010年代は6900万ドルに下がり、2020年代の直近2作品はたったの185万ドル(370万ドルの「ノマドランド」と0ドルの「コーダ」)。市場全体の興収は右肩上がりだが、アカデミー賞で評価される作品は興収が低いものになっている。大ヒットした「アバター:ウェイ・オブ・ウォーター」「トップガン マーヴェリック」「エルヴィス」には不利なデータ。

監督賞
ダニエル・クワン、ダニエル・シャイナート(エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス)
スティーヴン・スピルバーグ(フェイブルマンズ)
マーティン・マクドナー(イニシェリン島の精霊)
トッド・フィールド(TAR ター)
リューベン・オストルンド(逆転のトライアングル)

主演男優賞
オースティン・バトラー(エルヴィス)
ブレンダン・フレイザー(ザ・ホエール)
コリン・ファレル(イニシェリン島の精霊)
ビル・ナイ(生きる LIVING)
ポール・メスカル(Aftersun)

主演女優賞
ミシェル・ヨー(エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス)
ケイト・ブランシェット(TAR ター)
ミシェル・ウィリアムス(フェイブルマンズ)
アンドレア・ライズボロー(To Leslie)
アナ・デ・アルマス(ブロンド)

助演男優賞
キー・ホイ・クァン(エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス)
ブレンダン・グリーソン(イニシェリン島の精霊)
バリー・コーガン(イニシェリン島の精霊)
ジャド・ハーシュ(フェイブルマンズ)
ブライアン・タイリー・ヘンリー(その道の向こうに)

助演女優賞
アンジェラ・バセット(ブラックパンサー ワカンダ・フォーエバー)
ケリー・コンドン(イニシェリン島の精霊)
ジェイミー・リー・カーティス(エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス)
ステファニー・スー(エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス)
ホン・チャウ(ザ・ホエール)

脚本賞
マーティン・マクドナー(イニシェリン島の精霊)
ダニエル・クワン、ダニエル・シャイナート(エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス)
トッド・フィールド(TAR ター)
スティーヴン・スピルバーグ、トニー・クシュナー(フェイブルマンズ)
リューベン・オストルンド(逆転のトライアングル)

脚色賞
サラ・ポーリー、ミリアム・トウズ(ウーマン・トーキング 私たちの選択)
エドワード・ベルガー、レスリー・パターソン、イアン・ストーケル(西部戦線異状なし)
アーレン・クルーガー、エリック・ウォーレン・シンガー、クリストファー・マッカリー(トップガン マーヴェリック)
ライアン・ジョンソン(ナイブズ・アウト:グラスオニオン)
カズオ・イシグロ(生きる LIVING)

撮影賞
ジェームス・フレンド(西部戦線異状なし)
マンディ・ウォーカー(エルヴィス)
フロリアン・ホーフマイスター(TAR ター)
ロジャー・ディーキンス(エンパイア・オブ・ライト)
ダリウス・コンジ(バルド、偽りの記録と一握りの真実)

編集賞
エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス
トップガン マーヴェリック
エルヴィス
イニシェリン島の精霊
TAR ター

美術賞
バビロン
エルヴィス
アバター:ウェイ・オブ・ウォーター
西部戦線異状なし
フェイブルマンズ

衣装デザイン賞
エルヴィス
ブラックパンサー ワカンダ・フォーエバー
バビロン
エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス
ミセス・ハリス、パリへ行く

作曲賞
ジャスティン・ハーウィッツ(バビロン)
フォルカー・ベルテルマン(西部戦線異状なし)
ジョン・ウィリアムズ(フェイブルマンズ)
カーター・バーウェル(イニシェリン島の精霊)
サン・ラックス(エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス)

主題歌賞
“Naatu Naatu”(RRR)
“Lift Me Up”(ブラックパンサー ワカンダ・フォーエバー)
“Hold My Hand”(トップガン マーヴェリック)
“This Is A Life”(エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス)
“Applause”(Tell It Like a Woman)

音響賞
トップガン マーヴェリック
西部戦線異状なし
アバター:ウェイ・オブ・ウォーター
エルヴィス
THE BATMAN -ザ・バットマン-

メイクアップ&ヘアスタイリング賞
エルヴィス
ザ・ホエール
THE BATMAN -ザ・バットマン-
西部戦線異状なし
ブラックパンサー ワカンダ・フォーエバー

視覚効果賞
アバター:ウェイ・オブ・ウォーター
トップガン マーヴェリック
西部戦線異状なし
THE BATMAN -ザ・バットマン-
ブラックパンサー ワカンダ・フォーエバー

国際長編映画賞
西部戦線異状なし(ドイツ)
アルゼンチン1985 歴史を変えた裁判(アルゼンチン)
CLOSE クロース(ベルギー)
The Quiet Girl(アイルランド)
EO イーオー(ポーランド)

長編アニメーション映画賞
ギレルモ・デル・トロのピノッキオ
Marcel the Shell with Shoes On
長ぐつをはいたネコと9つの命
私ときどきレッサーパンダ
ジェイコブと海の怪物

長編ドキュメンタリー映画賞
ナワリヌイ
All the Beauty and the Bloodshed
ファイアー・オブ・ラブ 火山に人生を捧げた夫婦
All That Breathes
A House Made of Splinters

短編アニメーション映画賞
ぼく モグラ キツネ 馬
My Year of Dicks
An Ostrich Told Me the World Is Fake and I Think I Believe It
The Flying Sailor
氷を売る親子

短編ドキュメンタリー映画賞
エレファント・ウィスパラー:聖なる像
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