作品賞 | 監督賞 | 主演男優賞 | 主演女優賞 | 助演男優賞 | 助演女優賞
脚本賞 | 脚色賞 | 撮影賞| 編集賞 | 美術賞 | 衣装デザイン賞
作曲賞 | 主題歌賞 | メイクアップ&ヘア賞 | 音響賞 | 視覚効果賞
国際長編映画賞 | 長編アニメーション映画賞 | 短編アニメーション映画賞
長編ドキュメンタリー映画賞 | 短編ドキュメンタリー映画賞 | 短編実写映画賞
脚本賞 | 脚色賞 | 撮影賞| 編集賞 | 美術賞 | 衣装デザイン賞
作曲賞 | 主題歌賞 | メイクアップ&ヘア賞 | 音響賞 | 視覚効果賞
国際長編映画賞 | 長編アニメーション映画賞 | 短編アニメーション映画賞
長編ドキュメンタリー映画賞 | 短編ドキュメンタリー映画賞 | 短編実写映画賞
※◯は予想。●はノミネート。
※並びはアルファベット順
※並びはアルファベット順
作品賞 |
考察① | 重要4賞(組合賞・ゴールデングローブ賞・放送映画批評家協会賞・英国アカデミー賞)すべてにノミネートされているのは、「ANORA アノーラ」「ブルータリスト」「教皇選挙」「エミリア・ペレス」「名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN」の5作品。 |
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考察② | アカデミー賞との直結度が高いトロント国際映画祭観客賞だが、今年の対象作「The Life of Chuck」は全米公開が今年の5月で本年度アカデミー賞の対象から漏れている。ただし、昨年この賞で次点だった「ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ」も作品賞ほか5部門にノミネート。今年次点だった「ANORA アノーラ」と「エミリア・ペレス」にも大きな加点。 |
考察③ | 「トップガン マーヴェリック」「バービー」と市場での大ヒット作が作品賞にノミネートされる確率が高まっている。5億ドル近くを稼いでいる「ウィキッド ふたりの魔女」も多くの票を集めそう。 |
考察④ | 非英語作品枠はカンヌで話題をさらった「エミリア・ペレス」、インド映画「All We Imagine as Light」、ドイツ映画「聖なるイチジクの種」の評価が高い。「All We〜」は国際長編映画性にエントリーされておらず、作品のファンはここで推すしかない。 |
考察⑤ | カンヌ国際映画祭パルムドール受賞作はこの5年で3本の作品賞候補を輩出(「パラサイト 半地下の家族」受賞、「逆転のトライアングル」「落下の解剖学」)。今年の「ANORA アノーラ」もノミネートまでは堅い。グランプリ「All We Imagine as Light」、審査員賞「エミリア・ペレス」にもチャンスあり。 |
考察⑥ | 今年は配信勢が静か。Netflixが北米での配信権を獲得した「エミリア・ペレス」が主要賞を狙える位置にいる他は目立った作品がない。同じくNetflixの「Maria」「ピアノ・レッスン」「喪う」、Appleのスティーブ・マックイーン監督作「ブリッツ ロンドン大空襲」、Amazonのバリー・ジェンキンス脚本作「The Fire Inside」が候補を送り込めるか。 |
考察⑦ | 近年多くの実績を残しているA24とNeonが今年も躍動。「ブルータリスト」(A24)と「ANORA アノーラ」(Neon)が受賞を争うほか、「シビル・ウォー アメリカ最後の日」「Sing Sing」(A24)、「聖なるイチジクの種」(Neon)もノミネートを狙う。 |
結論 | 重要4賞コンプリートの「ANORA アノーラ」「ブルータリスト」「教皇選挙」「エミリア・ペレス」「名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN」、それに続く前哨戦実績を誇る「DUNE 砂の惑星 PART2」「サブスタンス」「ウィキッド ふたりの魔女」あたりまではほぼ安泰ラインで、残る2席を「Nickel Boys」「リアル・ペイン 心の旅」「セプテンバー5」「Sing Sing」の4作品で争う展開か。そこから抜け出すのは「Sing Sing」と予想しつつ、BoxOfficeでの大ヒットも後押しする「Nosferatu」の大逆転候補があったら面白い。 |
結果を受けて | 「I’m Still Here」ノミネートというビッグサプライズ。前哨戦では外国語映画賞部門での実績はあったものの、作品賞部門では実績「0」だっただけに全く予期していなかった。 |
「デューン 砂の惑星 PART2」が無事ノミネート。ただし前作の計10部門から5部門まで候補数を減らしている。シリーズ作ゆえのジレンマ。 | |
有力視されていた中では「Sing Sing」「リアル・ペイン 心の旅」「セプテンバー5」などが落選。いずれも脚本・脚色部門にノミネートされており、票は僅差だったと思われる。 | |
「Nickel Boys」も前哨戦実績は豊富ながら、いわゆるCritic’s Darling(批評家受けする作品)的な位置づけで、本線ノミネートは厳しいと予想したが、見事にノミネート。脚色賞との2部門のみが逆に驚き。 | |
「エミリア・ペレス」12部門13賞の最多ノミネートも予想外のできごと。最多候補は「ブルータリスト」or「教皇選挙」になると予想していたが、フランス映画がもっとも多くの部門で票を獲得した。 | |
トリビア | 2本のミュージカル映画(「エミリア・ペレス」と「ウィキッド ふたりの魔女」)がノミネート。複数のミュージカル映画が同時にノミネートされたのは、2002年(「シカゴ」と「ムーラン・ルージュ」)以来のできごと。 |
「デューン 砂の惑星2」は複数回にわたって作品賞にノミネートされた6番目のシリーズ作品。他には「ゴッドファーザー」、「ブロードウェイ・メロディー」「我が道を行く」「ロード・オブ・ザ・リング」「アバター」シリーズがある。 | |
上映時間215分の「ブルータリスト」は1964年以降に公開された作品の中ではもっとも長尺の作品賞候補作。※史上もっとも長い作品賞候補作は248分の「クレオパトラ」(1963年)。 | |
ノミネート作品の合計上映時間は24時間45分で過去最長。これまで最長だった2022年の合計上映時間を44分も上回った。 | |
ティモシー・シャラメの主演作品「名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN」と「デューン 砂の惑星 PART2」が2本同時にノミネート。非常に稀な記録。「 |
監督賞 |
考察① | 重要4賞(組合賞・ゴールデングローブ賞・放送映画批評家協会賞・英国アカデミー賞)すべてにノミネートされているのはブラディ・コーベット(ブルータリスト)、ショーン・ベイカー(ANORA アノーラ)、エドワード・ベルガー(教皇選挙)、ジャック・オディアール(エミリア・ペレス)の4人。昨年はクリストファー・ノーラン(オッペンハイマー)のみだったが、今年は4強の様相。 |
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考察② | 前哨戦実績上位のラメル・ロス(Nickel Boys)、コラリー・ファルジャ(サブスタンス)、ドゥニ・ヴィルヌーヴ(デューン 砂の惑星 PART2)、ジョン・M・チュウ(ウィキッド ふたりの魔女)は組合賞でノミネートされず。逆に組合賞にノミネートされ大逆転を狙うのはジェームズ・マンゴールド(名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN)。 |
考察③ | 今年の前哨戦実績上位者の中でアカデミー賞監督賞ノミネート実績があるのはドゥニ・ヴィルヌーヴ(デューン 砂の惑星 PART2)のみ。そのヴィルヌーヴも昨年の「デューン」第1作ではノミネートされておらず、今年はノミニー5人すべてが初候補になる可能性。 |
考察④ | 女性監督2人にノミネートの可能性。作品賞部門でも有力視されるコラリー・ファルジャ(サブスタンス)がより有力だが、カンヌ国際映画祭でグランプリ受賞のパヤル・カパディア(All We Imagine as Light)にもチャンスあり。 |
考察⑤ | マイク・リー(Hard Truths)はアカデミー会員のお気に入り。これまで2度の監督賞と5度の脚本賞にノミネートされている。 |
考察⑥ | ここ5年続けて非英語作品からのノミネートが生まれている。昨年もジュスティーヌ・トリエ(落下の解剖学)、ジョナサン・グレイザー(関心領域)の2人がノミネートされた。今年チャンスがあるのはパヤル・カパディア(All We Imagine as Light)、ジャック・オディアール(エミリア・ペレス)、モハマド・ラスロフ(聖なるイチジクの種)。 |
結論 | 作品人気上位のブラディ・コーベット(ブルータリスト)、ショーン・ベイカー(ANORA アノーラ)、エドワード・ベルガー(教皇選挙)の3人はほぼ当確。そこに非英語作品枠にはまりそうなジャック・オーディアール(エミリア・ペレス)が加わって4人。残る1枠が難しい。順当なら組合賞ノミネートのジェームズ・マンゴールド(名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN)だが、ドゥニ・ヴィルヌーヴ(DUNE 砂の惑星 PART2)、ジョン・M・チュウ(ウィキッド ふたりの魔女)のノミネートがあっても驚かない。ただ、ここはあえてコラリー・ファルジャ(サブスタンス)を推す。組合賞から漏れはしたが、残る重要3賞にはノミネートされており、前哨戦実績は十分。 |
結果を受けて | 計8部門の候補を送り込んだ「教皇選挙」のエドワード・ベルガーが落選するサプライズ。ベルガーは一昨年の「西部戦線異状なし」も9部門の候補を送り込みながら、自身は落選している。2作続けてこの評価はあまりにも…。 |
「デューン 砂の惑星 PART2」のドゥニ・ヴィルヌーヴは前作に続いて落選。今度こそを期待する声も大きかったが、「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズのように最終作で一気に花開くか。 | |
2人のフランス人監督=ジャック・オディアール(エミリア・ペレス)、コラリー・ファルジャ(サブスタンス)がそろってノミネート。 | |
トリビア | 実は5人のノミニーすべてが初ノミネート。ノミニー全員が初候補となるのは2007年以来17年ぶり。 |
フランス人女性監督コラリー・ファルジャ(サブスタンス)のノミネートは快挙。同部門にノミネートされた9人目の女性となる。キャスリン・ビグロー(ハートロッカー)、クロエ・ジャオ(ノマドランド)、ジェーン・カンピオン(パワー・オブ・ザ・ドッグ)に続く4人目の受賞者となれるか? | |
ジャック・オーディアール(エミリア・ペレス)は、作品、監督、脚本、主題歌賞の4部門で同時にノミネートされた史上初の人物となった。 |
主演男優賞 |
考察① | 重要4賞(俳優組合賞・ゴールデングローブ賞・放送映画批評家協会賞、英国アカデミー賞)全てにノミネートされているのは、エイドリアン・ブロディ(ブルータリスト)、コールマン・ドミンゴ(Sing Sing)、レイフ・ファインズ(教皇選挙)、ティモシー・シャラメ(名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN)。この4人はその他の前哨戦でも実績最上位でノミネートまでは安全圏内か。 |
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考察② | 前哨戦実績で5番目と6番目に位置するのは、主要4賞のうち英国アカデミー賞以外の3賞にノミネートされたダニエル・クレイグ(Queer)と、組合賞以外の3賞にノミネートされたヒュー・グラント(Heretic)。 |
考察③ | セバスチャン・スタンは2本の作品「A Different Man」「アプレンティス:ドナルド・トランプの創り方」でともに前哨戦上位に食い込んだ。実績ではどちらも甲乙つけがたく、票割れを起こす可能性も。 |
考察④ | その「アプレンティス:ドナルド・トランプの創り方」が、第二期トランプ政権発足から間もない授賞式において、アカデミー会員たちにどう受け止められるかは興味深いポイント。作品はトランプ本人による圧力の影響で最小限の劇場公開を余儀なくされたとも言われているが…。 |
考察⑤ | 昨年も「ラスティン:ワシントンの「あの日」を作った男」でノミネートされたコールマン・ドミンゴは今年も「Sing Sing」でノミネート濃厚。2年連続で主演男優賞ノミネートとなれば、2016年-2017年のデンゼル・ワシントン以来の記録となる。 |
考察⑥ | ノミネートは堅そうなティモシー・シャラメ(名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN)だが、もし受賞することになれば、エイドリアン・ブロディの29歳343日を抜いて史上最年少記録の更新となる。 |
結論 | 前哨戦実績上位の4人、エイドリアン・ブロディ(ブルータリスト)、コールマン・ドミンゴ(Sing Sing)、レイフ・ファインズ(教皇選挙)、ティモシー・シャラメ(名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN)はノミネート当確。残る1枠をセバスチャン・スタン、ダニエル・クレイグ(Queer)、ヒュー・グラント(Heretic)の3人で争う構図か。順当なら組合賞候補に挙がったクレイグだが、最終コーナーを回ってからの脚色はセバスチャン・スタンに分がありそう。問題はどちらの作品で候補になるか。時期的にタイムリーな「アプレンティス:ドナルド・トランプの創り方」のようにも思えるが、演技的な見せ場はむしろ「A Different Man」のほうが多そう。 |
結果を受けて | 有力視されていたダニエル・クレイグ(Queer)、ヒュー・グラント(Heretic)が落選。2人は初ノミネートならず。 |
セバスチャン・スタンは「アプレンティス:ドナルド・トランプの創り方」のほうでノミネート。前哨戦実績では「A Different Man」のほうが優勢だった。 | |
受賞となれば最年少記録更新となるのがティモシー・シャラメ(名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN)。現時点での最年少記録保持者エイドリアン・ブロディ(ブルータリスト)が並んでノミネートされているのは面白い偶然。 | |
トリビア | レイフ・ファインズ(教皇選挙)は前回「イングリッシュ・ペイシェント」(1996年)でノミネートされてから、28年ぶりのノミネート。ノミネート期間の間隔としてはヘンリー・フォンダの41年に次ぐ長さ。 |
エイドリアン・ブロディ(ブルータリスト)は主演男優賞を受賞した「戦場のピアニスト」(2002年)に続き、ホロコーストの生存者を演じてノミネートされた。 | |
ティモシー・シャラメ(名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN)は30歳未満で複数回にわたり主演男優賞にノミネートされた数少ない俳優の1人。他にはジェームズ・ディーン、マーロン・ブランド、ミッキー・ルーニーなどがいる。 | |
過去、主演男優賞ノミニーが演じた米大統領はエイブラハム・リンカーン、リチャード・ニクソン、ウッドロウ・ウィルソン、ハリー・トルーマンの4人。セバスチャン・スタンが演じたドナルド・トランプで5人目となる。 |
主演女優賞 |
考察① | 重要4賞(俳優組合賞・ゴールデングローブ賞・放送映画批評家協会賞、英国アカデミー賞)全てにノミネートされているのは、マイキー・マディソン(ANORA アノーラ)、デミ・ムーア(サブスタンス)、シンシア・エリヴォ(ウィキッド ふたりの魔女)、カーラ・ソフィア・ガスコン(エミリア・ペレス)の4人。 |
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考察② | 前哨戦実績で3番手を走るマリアンヌ・ジャン=バプティスト(Hard Truths)は組合賞とゴールデン・グローブ賞で候補漏れ。ただし、同じマイク・リー監督作「秘密と嘘」では助演女優賞に候補入りしており、28年ぶりノミネートの可能性はある。 |
考察③ | 98年「セントラル・ステーション」で高評価されたブラジル人監督ヴァルテル・サレスが26年の時を経て再びノミニーを送り込むか。フェルナンダ・トーレス(I’m Still Here)はその「セントラル・ステーション」で主演女優賞にノミネートされたフェルナンダ・モンテネグロの娘。前哨戦実績上位で逆転候補の可能性あり。 |
考察④ | トランスジェンダー女優のカーラ・ソフィア・ガスコン(エミリア・ペレス)にもノミネートのチャンス。後にトランスジェンダーであることを公表したエリオット・ペイジ(JUNO/ジュノ)に続くか。 |
考察⑤ | デミ・ムーアが初ノミネートを狙う。これまでラジー賞には計9度ノミネート(うち4度受賞)という不名誉を頂戴してきたが、ついに演技面での評価を得られるか。 |
考察⑥ | 本来なら重要4賞コンプリートのデミ・ムーア(サブスタンス)に死角はないのだが、どうにも不安がつきまとう。2019年、前哨戦で十分な実績を残しながらオスカー候補から漏れたジェニファー・ロペス(ハスラーズ)のように、商業的な成功や私生活でのゴシップが目立つと票が集まりにくい傾向は確かにある。 |
考察⑦ | パメラ・アンダーソン(The Last Showgirl)の大逆転ノミネートも可能性あり。ドラマシリーズ「パム&トミー」で描かれたセックステープ流出スキャンダルなど、お騒がせなイメージも強いアンダーソンがオスカー候補に名を連ねるとなればドラマ性は十分。 |
考察⑧ | 常連組のニコール・キッドマン(ベイビーガール)、アンジェリーナ・ジョリー(Maria)、エイミー・アダムス(Nightbitch)、シアーシャ・ローナン(The Outrun)らが虎視眈々と逆転を狙う。キッドマンは6度目、ジョリーは3度目、アダムスは7度目、ローナンは5度目のノミネートとなるか。 |
結論 | デミ・ムーア(サブスタンス)がもし落選することがあれば大きなサプライズなのだが、ありそうで怖い。ムーアへの投票が避けられた場合、票が集まりそうなのがマリアンヌ・ジャン=バプティスト(Hard Truths)やフェルナンダ・トーレス(I’m Still Here)。パメラ・アンダーソン(The Last Showgirl)の大逆転にも期待したいところだが、ムーアと同じ理由で避けられそう。2人そろってノミネートなれば話題性もあり拍手喝采だが…。 |
結果を受けて | デミ・ムーア(サブスタンス)が無事にノミネート。候補入りの壁を乗り越えた今、受賞も狙える強力コンテンダーに。 |
一方、デミ・ムーア同様にお騒がせなキャリア面で不安視されていたパメラ・アンダーソン(The Last Showgial)は残念ながら落選。とはいえキャリアは上向きに? | |
前哨戦実績上位だったマリアンヌ・ジャン=バプティスト(Hard Truths)はノミネートならず。アカデミー会員が大好きなマイク・リー監督の神通力も届かず。 | |
トリビア | フェルナンダ・トーレス(I’m Still Here)はこの部門でノミネートされた2人目のブラジル人女優。1人目の先駆者は母フェルナンダ・モンテネグロ(セントラル・ステーション)。母娘2代での大快挙。 |
カーラ・ソフィア・ガスコン(エミリア・ペレス)はこの部門にノミネートされた、トラスジェンダーであることを公表している最初の女優。過去、「JUNO/ジュノ」でノミネートされたエレン・ペイジは、その後トランスジェンダーであることをカミングアウトし、現在はエリオット・ペイジとして活動している。 | |
シンシア・エリヴォ(ウィキッド ふたりの魔女)がもし受賞すれば、EGOT(エミー賞、グラミー賞、オスカー、トニー賞)をコンプリートした7人目の女性となる。 | |
助演男優賞 |
考察① | 重要4賞(俳優組合賞・ゴールデングローブ賞・放送映画批評家協会賞・英国アカデミー賞)全てにノミネートされているのは、キーラン・カルキン(リアル・ペイン 心の旅)、ユラ・ボリソフ(ANORA アノーラ)、エドワード・ノートン(名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN)の3人。 |
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考察② | 前哨戦実績が2番目に豊富なガイ・ピアース(ブルータリスト)だが、組合賞でまさかの選漏れ。作品も強いのでノミネートまではたどり着きたいところだが…。 |
考察③ | ノミネート当確と思われていたデンゼル・ワシントン(グラディエーターII 英雄を呼ぶ声)だが、組合賞と英国アカデミー賞という重要賞TOP2で落選する波乱。ネームバリューで逆転なるか。 |
考察④ | ジョシュ・オコナー(チャレンジャーズ)は次期ジェームズ・ボンド役との噂もあがっているニューフェイス。対象作品にもファンは多く、多くの票が集まってもおかしくない。 |
考察⑤ | 昨年ノミネートされたスターリング・K・ブラウン(アメリカン・フィクション)のように、近年はドラマシリーズでの活躍も票に結びつきやすい傾向あり。傑作ドラマシリーズ「サクセッション」で怪演を見せるジェレミー・ストロング(アプレンティス:ドナルド・トランプの創り方)とキーラン・カルキン(リアル・ペイン 心の旅)がそろってノミネートされる可能性は十分。 |
考察⑥ | 先天性の障がいにより顔の変形を持って生まれたアダム・ピアソン(A Different Man)は、TEDトークに登壇して卓抜なスピーチを披露する才能の持ち主。対象作品でもその才能が遺憾なく発揮されているようで、ノミネートのチャンスは大いにある。 |
結論 | 重要4賞コンプリートのキーラン・カルキン(リアル・ペイン 心の旅)、ユラ・ボリソフ(ANORA アノーラ)、エドワード・ノートン(名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN)の3人は当確ライン。組合賞からは漏れたが、作品の強さも手伝ってガイ・ピアース(ブルータリスト)もノミネートされると予想する。残る1枠を争うのは前哨戦実績上位のジェレミー・ストロング(アプレンティス:ドナルド・トランプの創り方)、デンゼル・ワシントン(グラディエーターII 英雄を呼ぶ声)、クラレンス・マクリン(Sing Sing)だが、この中だったらドラマ「サクセッション」での好演も印象的なストロングが優位か。ビッグサプライズがあるとすれば、アダム・ピアソン(A Different Man)かジョナサン・ベイリー(ウィキッド ふたりの魔女)。 |
結果を受けて | 予想通りの結果とはいえ、デンゼル・ワシントン(グラディエーターII 英雄を呼ぶ声)の落選はやはり驚き。 |
助演女優賞 |
考察① | 重要4賞(俳優組合賞・ゴールデングローブ賞・放送映画批評家協会賞・英国アカデミー賞)全てにノミネートされているのは、アリアナ・グランデ(ウィキッド ふたりの魔女)、ゾーイ・サルダナ(エミリア・ペレス)の2人のみ。 |
---|---|
考察② | 昨年のこの部門はダヴァイン・ジョイ・ランドルフ(ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ)一強状態だったが、今年は混戦模様。100%ノミネート確実といえるコンテンダーはおらず、波乱があってもおかしくない。 |
考察③ | 票割れの心配があるのが「エミリア・ペレス」のゾーイ・サルダナとセレーナ・ゴメス、「名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN」のモニカ・バルバロとエル・ファニング。それぞれ前哨戦では前者が優位に立つが…? |
考察④ | アカデミー協会から人気が高いのがペネロペ・クルス(Ferrari)。「それでも恋するバルセロナ」ですでに助演女優賞を受賞しているが、2年前の「パラレル・マザーズ」でも下馬評を覆して主演女優賞に逆転候補となっている。今年も前哨戦実績では6番手以下だが、組合賞にノミネートされているだけに逆転は十分。 |
考察⑤ | 先日、惜しくもこの世を去ったデヴィッド・リンチ監督と言えば、思い出されるのは「ブルーベルベット」でのイザベラ・ロッセリーニ(教皇選挙)の好演。オスカー像を手にすることがあれば、リンチ監督へのこれ以上ない餞(はなむけ)に。 |
考察⑥ | 一昨年、「エブエブ」で同賞を受賞したばかりのジェイミー・リー・カーティス(The Last Showgirl)だが、早くも二度目のチャンスが巡ってきた。前哨戦では終始苦戦も、最後に最重要賞の組合賞でノミネート。俳優仲間からの支持で二度目のノミネートを勝ち取れるか。 |
考察⑦ | 「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」「哀れなるものたち」などオスカー候補作品への出演が続いたマーガレット・クアリー(サブスタンス)に初ノミネートのチャンス。前哨戦実績では3番手につけるも、組合賞と英国アカデミー賞で選漏れしたのは不安材料。 |
考察⑧ | 一昨年、「ティル」の好演で主演女優賞ノミネートを有力視されるもまさかの落選を喫したダニエル・デッドワイラー(ピアノ・レッスン)。その年は結果、主演女優賞ノミニーに黒人俳優が1人もいなかったことが物議を醸すことに。前哨戦実績では4番手につけており、今度こそ悲願のノミネートなるか? |
結論 | 前哨戦で最上位実績を残したアリアナ・グランデ(ウィキッド ふたりの魔女)が無事ノミネートを受けられるか。レディ・ガガ(アリー/スター誕生)のときも一部不安視する声があったように、主戦場の違う人材に対して風当たりが強くなる可能性はある。作品賞部門で強い「教皇選挙」「ブルータリスト」「エミリア・ペレス」「名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN」から順当にノミニーが出ると予想。「エミリア〜」と「名もなき者〜」は2人ずつコンテンダーがいるが、前哨戦で優位がはっきりしているので票割れの可能性は低く、1人ずつノミネートされることになりそう。最大の逆転候補はジェイミー・リー・カーティス(The Last Showgirl)。 |
結果を受けて | |
脚本賞 |
◯● | ショーン・ベイカー(ANORA アノーラ) |
---|---|
パヤル・カパディア(All We Imagine as Light) | |
○● | ブラディ・コーベット、モナ・ファストヴォルド(ブルータリスト) |
◯ | ジャスティン・クリツケス(チャレンジャーズ) |
アレックス・ガーランド(シビル・ウォー アメリカ最後の日) | |
アーロン・シンバーグ(A Different Man) | |
モハマド・ラスロフ(聖なるイチジクの種) | |
マイク・リー(Hard Truths) | |
スコット・ベック、ブライアン・ウッズ(Heretic) | |
ムリロ・ハウザー、Heitor Lorega、マルセロ・ルーベンズ・パイヴァ(I’m Still Here) | |
ジェーン・シェーンブルン(I Saw the TV Glow) | |
リッチ・ペピアット、Móglaí Bap、Mo Chara(Kneecap) | |
◯● | ジェシー・アイゼンバーグ(リアル・ペイン 心の旅) |
● | ティム・フェールバウム(セプテンバー5) |
◯● | コラリー・ファルジャ(サブスタンス) |
ギル・キーナン、ジェイソン・ライトマン(Saturday Night) | |
アザゼル・ジェイコブス(喪う) | |
考察① | 重要4賞(俳優組合賞・ゴールデングローブ賞・放送映画批評家協会賞・英国アカデミー賞)全てにノミネートされているのは、「ANORA アノーラ」「リアル・ペイン 心の旅」の2本のみ。組合賞にはエントリーせず候補から漏れたが、ほか重要3賞すべてにノミネートされている「ブルータリスト」「サブスタンス」も強力なコンテンダー。 |
考察② | 「リアル・ペイン 心の旅」の脚本を手がけたのは、俳優のジェシー・アイゼンバーグ。近年は脚本・監督業にも精を出しており、その手腕は高く評価されている。今回、オスカー受賞となれば、今後のキャリアにも大きく影響しそう。 |
考察③ | 組合賞と放送映画批評家協会賞にノミネートされた「チャレンジャーズ」が実績5番手。脚本を手がけたジャスティン・クリツケスは、昨年「パスト ライブス/再会」で同賞にノミネートされたセリーヌ・ソンの夫で、奇しくも夫婦そろって男女3人による愛憎劇を描いている。 |
考察④ | マイク・リー(Hard Truths)はこの部門の常連。これまで計7度のノミネート実績があり、とくに脚本賞部門では5度ノミネートされている。 |
考察⑤ | カナダ人であるアレックス・ガーランドがアメリカの荒廃した未来を描いた「シビル・ウォー アメリカ最後の日」がどう評価されるのかは興味深いポイント。前哨戦では苦戦気味だったが、最重要となる組合賞ノミネートは大きな追い風。 |
考察⑥ | ここ6年続けて非英語作品がノミネートされている。今年チャンスがありそうなのは「All We Imagine as Light」「聖なるイチジクの種」「I’m Still Here」あたりだが、アイルランド語(ゲール語)で歌うラッパーたちの生態を描いた「Kneecap」が最も面白い存在かもしれない。 |
結果を受けて | |
脚色賞 |
◯● | ジェームズ・マンゴールド、ジェイ・コックス、イライジャ・ワルド(名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN) |
---|---|
○● | ピーター・ストローハン、ロバート・ハリス(教皇選挙) |
ドゥニ・ヴィルヌーヴ、ジョン・スパイツ、フランク・ハーバート(DUNE 砂の惑星 PART2) | |
○● | ジャック・オーディアール、トーマス・ビデガン、レア・ミシウス(エミリア・ペレス) |
リチャード・リンクレイター、グレン・パウエル、スキップホランズワース(ヒットマン) | |
● | ラメル・ロス、ジョスリン・バーンズ、コールソン・ホワイトヘッド(Nickel Boys) |
ロバート・エガース、ヘンリック・ガレーン、ブラム・ストーカー(Nosferatu) | |
ヴァージル・ウィリアムズ、マルコム・ワシントン、オーガスト・ウィルソン(ピアノ・レッスン) | |
ウィリアム・S・バロウズ、ジャスティン・クリツケス(Queer) | |
ペドロ・アルモドヴァル、シーグリッド・ヌーネス(ザ・ルーム・ネクスト・ドア) | |
○● | ジョン・H・リチャードソン、クラレンス・マクリン、Sean San Jose(Sing Sing) |
◯ | ウィニー・ホルツマン、ダナ・フォックス、グレゴリー・マグワイア(ウィキッド ふたりの魔女) |
クリス・サンダース、ピーター・ブラウン(野生の島のロズ) | |
考察① | 重要4賞(俳優組合賞・ゴールデングローブ賞・放送映画批評家協会賞・英国アカデミー賞)全てにノミネートされている作品はない。ただし、組合賞にエントリーしておらず、残り3賞でノミネートされている「教皇選挙」と「エミリア・ペレス」は、オスカー候補も安泰と言えそう。 |
考察② | ゴールデン・グローブ賞以外の重要3賞にノミネートされた「Nickel Boys」も有力コンテンダー。前哨戦では全体2番手の実績を残している。 |
考察③ | ほか、前哨戦実績上位は「Sing Sing」「デューン 砂の惑星 PART2」「ウィキッド ふたりの魔女」。いずれも作品賞部門で有力視されており、ノミネートの可能性は高い。 |
考察④ | 前哨戦実績では7番手も、組合賞と英国アカデミー賞にノミネートされた「名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN」はノミネートの可能性が高い。 |
考察⑤ | ヴェネチア国際映画祭で金獅子賞を受賞した「ザ・ルーム・ネクスト・ドア」も逆転候補。ペドロ・アルモドバルは2002年の「トーク・トゥ・ハー」でも脚本賞を受賞している。 |
考察⑥ | この部門でも非英語作品が4年連続でノミネートされている。今年チャンスがあるのはフランス映画の「エミリア・ペレス」。 |
結果を受けて | |
撮影賞 |
ディン・ドゥイ・ハング(黄色い繭の殻の中) | |
◯● | ロル・クローリー(ブルータリスト) |
サヨムプー・ムックディプローム(チャレンジャーズ) | |
ロブ・ハーディ(シビル・ウォー アメリカ最後の日) | |
○ | ステファーヌ・フォンテーヌ(教皇選挙) |
◯● | グリーグ・フレイザー(デューン 砂の惑星 PART2) |
● | ポール・ギローム(エミリア・ペレス) |
ジョン・マシソン(グラディエーターII 英雄を呼ぶ声) | |
サイモン・ダガン(マッドマックス:フュリオサ) | |
● | エドワード・ラックマン(Maria) |
◯ | ジョモ・フレイ(Nickel Boys) |
○● | ジェアリン・ブラシュケ(Nosferatu) |
パトリック・スコラ(Sing Sing) | |
ベンジャミン・クラカン(サブスタンス) | |
アリス・ブルックス(ウィキッド ふたりの魔女) | |
考察① | 重要3賞(組合賞・放送映画批評家協会賞・英国アカデミー賞)全てにノミネートされているのは「Nosferatu」「ブルータリスト」「デューン 砂の惑星 PART2」「教皇選挙」「ウィキッド ふたりの魔女」の5本。 |
考察② | 組合賞ノミネートこそ逃したものの、「Nickel Boys」の美しく幻想的な撮影に対する評価は高い。 |
考察③ | 前哨戦実績こそ劣るものの、組合賞にノミネートされた「名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN」は有力コンテンダー。BoxOfficeでのヒットも手伝って多くの部門で存在感を発揮しそう。 |
考察④ | 前哨戦実績で最上位だった「Nosferatu」のロバート・エガース監督&撮影監督のジュリアン・ブラシュケは、2020年にも「ライトハウス」で撮影賞ノミネートの実績があるコンビ。2度目のノミネートも可能性大。 |
考察⑤ | エドワード・ラックマン(Maria)は昨年もモノクロ撮影の「伯爵」でノミネート。2年連続の候補入りなるか。 |
考察⑥ | グリーグ・フレイザー(DUNE 砂の惑星 PART2)は2021年の前作でも撮影賞を受賞。シリーズ1作目が撮影賞を受賞した「ロード・オブ・ザ・リング」(2001年)のケースでは、翌年および翌々年の2作目と3作目はノミネートすらされなかったが…。 |
結果を受けて | |
編集賞 |
アプレンティス:ドナルド・トランプの創り方 | |
◯● | ANORA アノーラ |
◯● | ブルータリスト |
◯ | チャレンジャーズ |
◯● | 教皇選挙 |
シビル・ウォー アメリカ最後の日 | |
デューン 砂の惑星 PART2 | |
○● | エミリア・ペレス |
グラディエーターII 英雄を呼ぶ声 | |
ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE | |
Kneecap | |
マッドマックス:フュリオサ | |
Nickel Boys | |
Nosferatu | |
リアル・ペイン 心の旅 | |
Saturday Night | |
セプテンバー5 | |
サブスタンス | |
● | ウィキッド ふたりの魔女 |
考察① | 重要3賞(組合賞・放送映画批評家協会賞・英国アカデミー賞)全てにノミネートされているのは「デューン 砂の惑星 PART2」「ANORA アノーラ」「教皇選挙」の3作品。 |
考察② | 前哨戦実績2番手の「チャレンジャーズ」は組合賞と放送映画批評家協会賞にノミネート。英国アカデミー賞候補こそ逃したものの、前哨戦実績どおりならオスカー候補に挙がってもおかしくない。 |
考察③ | 作品賞との直結度が高いと言われる部門で、過去10年のノミネート50作品のうち、作品賞にノミネートされなかったのは3本のみ。直近6年はすべての編集賞候補作品が作品賞にもノミネートされている。 |
考察④ | 1作目が編集賞を受賞している2本の続編「デューン 砂の惑星 PART2」「マッドマックス:フュリオサ」が今回も有力コンテンダー。2作続けてのノミネートなるか。 |
結果を受けて | |
美術賞 |
エイリアン:ロムルス | |
The Beast | |
ビートルジュース ビートルジュース | |
◯● | ブルータリスト |
シビル・ウォー アメリカ最後の日 | |
名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN | |
◯● | 教皇選挙 |
◯● | デューン 砂の惑星 PART2 |
エミリア・ペレス | |
グラディエーターII 英雄を呼ぶ声 | |
Hundreds of Beavers | |
Maria | |
◯● | Nosferatu |
マッドマックス:フュリオサ | |
Saturday Night | |
サブスタンス | |
ツイスターズ | |
◯● | ウィキッド ふたりの魔女 |
考察① | 重要3賞(組合賞、放送映画批評家協会賞、英国アカデミー賞)のすべてにノミネートされたのは「ブルータリスト」「デューン 砂の惑星 PART2」「ウィキッド ふたりの魔女」「Nosferatu」「教皇選挙」。順当ならこの5本で決まり? |
考察② | 組合賞と放送映画批評家協会賞の2つでノミネートされた「グラディエーターII 英雄を呼ぶ声」が実績6番手。作品賞を受賞した前作(2000年)も美術賞ではノミネートされるも受賞はのがしている。 |
考察③ | ピリオド(歴史もの)、ファンタジー、コンテンポラリー(現代もの)の3つに分類した場合、ピリオド作品のノミネート確率が圧倒的に高い。組合賞のピリオド部門でノミネートされた「ブルータリスト」「名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN」「グラディエーターII 英雄を呼ぶ声」「Nosferatu」「Saturday Night」には心強いデータ。 |
考察④ | この部門も作品賞との直結度は高く、例年平均して4本は作品賞とノミネートが一致している。作品賞部門で有力視されていない作品にとっては狭き門。 |
結果を受けて | |
衣装デザイン賞 |
ビートルジュース ビートルジュース | |
ブリッツ ロンドン大空襲 | |
ブック・オブ・クラレンス 嘘つき救世主のキセキ | |
ボーダーランズ | |
ブルータリスト | |
シビル・ウォー アメリカ最後の日 | |
チャレンジャーズ | |
● | 名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN |
◯● | 教皇選挙 |
デューン 砂の惑星 PART2 | |
エミリア・ペレス | |
フォールガイ | |
◯● | グラディエーターII 英雄を呼ぶ声 |
Hundreds of Beavers | |
The Last Showgirl | |
マッドマックス:フュリオサ | |
◯ | Maria |
◯● | Nosferatu |
Saturday Night | |
○● | ウィキッド ふたりの魔女 |
考察① | 一次選考を突破した10本がノミネート5枠を争う。組合賞にノミネートされた「グラディエーターII 英雄を呼ぶ声」「デッドプール&ウルヴァリン」「Megalopolis」らはここで脱落。 |
考察② | 重要3賞(組合賞・放送映画批評家協会賞・英国アカデミー賞)すべてにノミネートされたのは「サブスタンス」「ウィキッド ふたりの魔女」の2本のみ。 |
考察③ | 重要3賞のうち2賞を受賞し、かつ一次選考を突破しているのは「A Different Man」「ビートルジュース ビートルジュース」「エミリア・ペレス」「Nosferatu」「デューン 砂の惑星 PART2」の5本。ここまでの上位7本で5枠を争うことになりそう。 |
考察③ | 前哨戦実績最上位は「サブスタンス」。異色作品だが、作品賞部門でのノミネートも有力視されており、ノミネートまでは安泰か。 |
考察③ | ピリオド(歴史もの)、ファンタジー、コンテンポラリー(現代もの)の3つに分類した場合、ファンタジーの実績が最も多い。前哨戦実績2番手の「ウィキッド ふたりの魔女」は組合賞ではピリオド部門に分類されたが、ファンタジー要素も強く、有利に働きそう。 |
結果を受けて | |
作曲賞 |
ベンジャミン・ウォルフィッシュ(エイリアン:ロムルス) | |
クリストバル・タピア・デ・ヴィーア(ベイビーガール) | |
ダニー・エルフマン(ビートルジュース ビートルジュース) | |
チャンダ・ダンシー(Blink Twice) | |
ハンス・ジマー(ブリッツ ロンドン大空襲) | |
◯● | ダニエル・ブルームバーグ(ブルータリスト) |
◯ | トレント・レズナー、アティカス・ロス(チャレンジャーズ) |
◯● | フォルカー・ベルテルマン(教皇選挙) |
○● | カミーユ・クレマン・デュコル(エミリア・ペレス) |
タマ―ル=カリ(The Fire Inside) | |
ハリー・グレッグソン=ウィリアムズ(グラディエーターII 英雄を呼ぶ声) | |
ジョン・デブニー(Horizon: An American Saga – Chapter 1) | |
アンドレア・ダッツマン(インサイド・ヘッド2) | |
ロビン・キャロラン(Nosferatu) | |
アルベルト・イグレシアス(ザ・ルーム・ネクスト・ドア) | |
ブライス・デスナー(Sing Sing) | |
アーロン・ジグマン(6888郵便大隊) | |
● | ジョン・パウエル、スティーヴン・シュワルツ(ウィキッド ふたりの魔女) |
○● | クリス・バワーズ(野生の島のロズ) |
アメリア・ワーナー(ヤング・ウーマン・アンド・シー) | |
考察① | 一次選考を突破した20本がノミネート5枠を争う。前哨戦実績上位だった「デューン 砂の惑星 PART2」「名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN」がここで脱落。 |
考察② | ショートリストから漏れた「デューン 砂の惑星 PART2」は、”曲の80%が独自のものでなくてはいけない”とルールを満たしていないというのが落選理由だが、ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督らはこれに異を唱えている。前作も同賞を受賞しており、ハンス・ジマーによるスコアが作品の成功に大きく寄与しているのは間違いのないところだが…。 |
考察③ | 「デューン 砂の惑星 PART2」で除外されたハンス・ジマーは、「ブリッツ ロンドン大空襲」のほうでショートリストに残っている。 |
考察④ | 重要3賞(ゴールデングローブ賞・放送映画批評家協会賞・英国アカデミー賞)のすべてにノミネートされているのは「ブルータリスト」「野生の島のロズ」「教皇選挙」「エミリア・ペレス」の4作品。 |
考察⑤ | 実績最上位の「チャレンジャーズ」は英国アカデミー賞でまさかの落選。スコアを手がけるトレント・レズナー、アティカス・ロスはこれまで2度のオスカー受賞を誇るが、今回のスコアはかなり異色で意図を理解できない会員もいそうなのは不安材料。 |
考察⑥ | アニメ作品にも平等にチャンスあり。受賞も果たした「ソウルフル・ワールド」(2020年)、「ミラベルと魔法だらけの家」(2021年)など近年もノミネート実績あり。今年も前哨戦実績で3番手だった「野生の島のロズ」がノミネートの可能性あり。 |
結果を受けて | |
主題歌賞 |
“Forbidden Road” by ロビー・ウィリアムズ(BETTER MAN/ベター・マン) | |
“Winter Coat” by シアーシャ・ローナン、ニコラス・ブリテル(ブリッツ ロンドン大空襲) | |
◯ | “Compress/Repress” by トレント・レズナー、アティカス・ロス(チャレンジャーズ) |
● | “Never Too Late” by エルトン・ジョン(エルトン・ジョン:Never Too Late) |
◯● | “El Mal” by カミーユ、クレマン・デュコル、ジャック・オーディアール(エミリア・ペレス) |
● | “Mi Camino” by カミーユ、クレマン・デュコル(エミリア・ペレス) |
◯ | “Sick in the Head” by Kneecap(Kneecap) |
“Beyond” by (モアナと伝説の海2) | |
“Tell Me It’s You” by (ライオン・キング:ムファサ) | |
“Piece by Piece” by ファレル・ウィリアムス(ファレル・ウィリアムス:ピース・バイ・ピース) | |
● | “Like a Bird” by アブラハム・アレクサンダー、エイドリアン・ケサーダ(Sing Sing) |
◯● | “The Journey” by ダイアン・ウォーレン(6888郵便大隊) |
“Out of Oklahoma” by レイニー・ウィルソン(ツイスターズ) | |
◯ | “Kiss the Sky” by マレン・モリス(野生の島のロズ) |
“Harper and Will Go West” by クリステン・ウィグ、ジョシュ・グリーンバウム(ウィル&ハーパー) | |
考察① | 一次選考を突破した15本がノミネート5枠を争う。この時点で前哨戦実績5番手の”Beautiful That Way”(The Last Showgirl)が脱落。 |
考察② | 重要賞であるゴールデン・グローブ賞と放送映画批評家協会賞の双方にノミネートされたのは”El Mal”(エミリア・ペレス)、”Kiss the Sky”(野生の島のロズ、”Compress/Repress”(チャレンジャーズ)、”Mi Camino”(エミリア・ペレス)、”Beautiful That Way”(The Last Showgirl)の5本。 |
考察③ | 映画「ウィル&ハーパー」の主題歌”Harper and Will Go West”は、劇中で歌作りを依頼された俳優のクリステン・ウィグがジョシュ・グリーンバウム監督とともに作詞作曲した曲。俳優のウィル・フェレルと、トランス女性であることをカミングアウトした30年来の友人ハーパーがアメリカ横断の旅を共にする姿を描くドキュメンタリーで、映画のテーマと主題歌が完全にリンクしているのが強み。 |
考察④ | 一時は無双状態だったディズニーアニメ主題歌だが、近年は少し潮目が変わってきている感。昨年はディズニー100周年記念作品「ウィッシュ」主題歌がまさかの一次選考で落選。最後の受賞は2017年の「リメンバー・ミー」まで遡る。今年も”Beyond”(モアナと伝説の海2)がショートリストに残っているが…。 |
考察⑤ | 2つの有力曲を送り出しているのが「エミリア・ペレス」。前哨戦で最上位の実績を残した”El Mal”はノミネート確実の様相だが、もう一方の”Mi Camino”も前哨戦実績4番手と高評価。同時ノミネートなるか。 |
考察⑥ | 話題のアイルランド映画「Kneecap」の主題歌”Sick in the Head”にも要注目。アイルランドのウェストベルファスト出身のヒップホップトリオが自身で主演を務めた映画で、母国では記録的なヒットとなっている。 |
考察⑦ | この部門の常連中の常連、ダイアン・ウォーレンが作詞作曲し、H.E.R.が歌う楽曲”The Journey”(6888郵便大隊)も有力コンテンダー。前哨戦ではほぼ名前が挙がることはなかったが、ダイアン・ウォーレンの名前だけでオスカー候補の資格は十分。 |
結果を受けて | |
音響賞 |
エイリアン:ロムルス | |
ブリッツ ロンドン大空襲 | |
◯● | 名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN |
デッドプール&ウルヴァリン | |
○● | デューン 砂の惑星 PART2 |
◯● | エミリア・ペレス |
◯ | グラディエーターII 英雄を呼ぶ声 |
ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ | |
◯● | ウィキッド ふたりの魔女 |
● | 野生の島のロズ |
考察① | 4年前の第93回から、録音賞と音響編集賞が統合され、音響賞として再スタートを切った。録音、音響編集双方の技術が評価されるとあって予想が難しい。 |
考察② | 一次選考を突破した10本がノミネート5枠を争う。前哨戦実績上位の「Nosferatu」「マッドマックス:フュリオサ」「サブスタンス」はここで脱落。 |
考察③ | 重要賞である組合賞と英国アカデミー賞の双方でノミネートされたのは「デューン 砂の惑星 PART2」「ウィキッド ふたりの魔女」。この2本はノミネートまで安泰か。 |
考察④ | 過去10年、録音賞+音響編集賞では「ボヘミアン・ラプソディ」「セッション」「サウンド・オブ・メタル -聞こえるということ-」など音楽を題材にした映画に多くの実績あり。「名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN」には心強いデータ。 |
考察④ | 一方、昨年の「関心領域」「1917 命をかけた伝令」「ダンケルク」「ハクソー・リッジ」など戦争を題材にした作品も強い。前哨戦実績ではやや劣る「ブリッツ ロンドン大空襲」だが、逆転なるか。 |
考察④ | アニメ作品「野生の島のロズ」がショートリストに名を連ねている。アニメ作品のノミネートは2008年の「ウォーリー」まで遡らねばならないが、高いハードルを超えてノミネートw勝ち取れるか。 |
考察④ | 批評、興行ともに不振だった「ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ」に残されたオスカー候補のチャンスはこの部門のみ?前作でもノミネートされている相性の良い部門だが…。 |
結果を受けて | ショートリスト入りしたこの部門が唯一のノミネートチャンスだった「ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ」は落選。前作が11部門候補を受けながら、続編が0というアカデミー史上最大のギャップ記録に。 |
メイクアップ&ヘアスタイリング賞 |
◯ | アプレンティス:ドナルド・トランプの創り方 |
---|---|
ビートルジュース ビートルジュース | |
○● | A Different Man |
デューン 砂の惑星 PART2 | |
● | エミリア・ペレス |
Maria | |
◯● | Nosferatu |
○● | サブスタンス |
Waltzing with Brando | |
◯● | ウィキッド ふたりの魔女 |
考察① | 一次選考を突破した10本がノミネート5枠を争う。前哨戦実績上位の「バービー」はここで脱落。 |
考察② | 重要3賞(組合賞・放送映画批評家協会賞・英国アカデミー賞)すべてにノミネートされたのは「哀れなるものたち」「マエストロ:その音楽と愛」「オッペンハイマー」の3本。 |
考察③ | ピリオド(歴史もの)、ファンタジー、コンテンポラリー(現代もの)の3つに分類した場合、ファンタジーの実績が最も多い。ただし今年はピリオド分野に有力作が多い。 |
考察④ | 「マエストロ:その音楽と愛」のメイクアップを手がけたのは、2度のオスカー受賞を誇るカズ・ヒロ。3度目の受賞なるか。 |
結果を受けて | |
視覚効果賞 |
● | エイリアン:ロムルス |
---|---|
◯● | BETTER MAN/ベター・マン |
◯ | シビル・ウォー アメリカ最後の日 |
デッドプール&ウルヴァリン | |
◯● | デューン 砂の惑星 PART2 |
◯ | グラディエーターII 英雄を呼ぶ声 |
○● | 猿の惑星 キングダム |
ライオン・キング:ムファサ | |
ツイスターズ | |
● | ウィキッド ふたりの魔女 |
考察① | 一次選考を突破した10本がノミネート5枠を争う。前哨戦で実績上位だった「サブスタンス」「マッドマックス:フュリオサ」「Nosferatu」はここで脱落。 |
考察② | 重要3賞(組合賞、放送映画批評家協会賞、英国アカデミー賞)すべてにノミネートされたのは「デューン 砂の惑星 PART2」「猿の惑星 キングダム」「BETTER MAN/ベター・マン」の3本。 |
考察③ | シリーズ作が視覚効果賞を受賞しているのは、「エイリアン:ロムルス」(「エイリアン」「エイリアン2」が受賞)、「デューン 砂の惑星 PART2」、「グラディエーターII 英雄を呼ぶ声」にとって心強いータ。 |
考察④ | 「猿の惑星」シリーズは、2010年代に公開された「創世記」「新世紀」「聖戦記」の3本とも視覚効果賞にノミネートされている。受賞こそのがしているものの、前作から7年の時を経て、さらに技術が向上した今回もノミネートまでは当確? |
考察④ | BoxOfficeで大ヒットした「デッドプール&ウルヴァリン」だが、多数ある「デッドプール」&「X-MEN」シリーズのなかで、この部門でノミネートされたのは「X-MEN:フューチャー&パスト」(2014年)のみと実績に乏しい。 |
考察④ | 大ヒット作の続編が並ぶショートリストの中で、ひときわ異色を放つのが「BETTER MAN/ベター・マン」と「シビル・ウォー アメリカ最後の日」。昨今の同部門では、昨年の「ゴジラ -1.0」のように低予算のハンデを技術でカバーする手腕が評価されており、2作品ともにノミネートされてもおかしくない。 |
結果を受けて | |
国際長編映画賞 |
考察① | 一次選考を突破した15本がノミネート5枠を争う。前哨戦実績最上位の「All We Imagine as Light」はインド代表としてエントリーしていないため名前はなし。ちなみにインド代表としてエントリーしていたのは、日本でも公開された「花嫁はどこへ?」(こちらも傑作)。 |
---|---|
考察② | 重要3賞(ゴールデングローブ賞・放送映画批評家協会賞・英国アカデミー賞)すべてにノミネートされたのは、「All We Imagine as Light」(インド)、「エミリア・ペレス」(フランス)、「聖なるイチジクの種」(ドイツ)、「I’m Still Here」(ブラジル)の4本。 |
考察③ | 重要3賞のうち英国アカデミー賞と放送映画批評家協会賞の2つにノミネートされた「Kneecap」(アイルランド)も前哨戦実績は十分。話題性も手伝ってオスカー候補の資格は十分。 |
考察④ | 長編アニメ映画賞でも存在感を発揮している「Flow」がこの部門でもノミネートの可能性。長編アニメ賞と国際長編映画賞の双方に同時ノミネートとなれば、2021年「FLEE フリー」以来の快挙となる。 |
考察⑤ | ブラジル代表「I’m Still Here」は、ハリウッドでもおなじみウォルター・サレス監督作品。「セントラル・ステーション」「モーターサイクル・ダイアリーズ」など代表作は多いが、実はアカデミー賞ノミネート経験はない。そろそろ? |
考察⑥ | パレスチナ代表「From Ground Zero」は22人のパレスチナ人監督によって作られた短編映画で構成される作品。ドキュメンタリー、アニメーション、フィクション、実験映画など様々なジャンルの短編が展開される異色作品。イスラエルとハマスの戦争下とあってアカデミー会員の注目度も高いはず。 |
考察⑦ | 前哨戦で7番手の好位につけていたのが、実は「悪は存在しない」(日本)。「ドライブ・マイ・カー」で同賞を受賞している濱口竜介監督作とあって人気を博しているが、残念ながら公開は日本代表としてエントリーしていない。 |
考察⑧ | この部門ノミネート数1位のフランス(エミリア・ペレス)、2位のイタリア(Vermiglio)、4位のドイツ(聖なるイチジクの種)、7位のデンマーク(The Girl with the Needle)がいずれもショートリストに残る大接戦。抜け出すのは? |
考察⑨ | 近年はカンヌおよびヴェネチア国際映画祭で評価された作品との親和性が高い。今年もカンヌで審査員賞と女優賞を受賞した「エミリア・ペレス」、特別賞を受賞した「聖なるイチジクの種」、ヴェネチアで脚本賞を受賞した「I’m Still Here」、審査員賞を受賞した「Vermiglio」がショートリストに残っている。 |
考察⑩ | 「TOUCH タッチ」(アイスランド)はベストセラー小説を原作に、50年前に姿を消した最愛の女性の行方を追う男の姿を描く。日本からKōki、本木雅弘、中村雅俊らが出演していることも話題。 |
考察⑪ | 近年はドキュメンタリー映画もこの部門で高評価。2019年「ハニーランド 永遠の谷」、2020年「コレクティブ 国家の嘘」、2021年「FLEE フリー」と3年続けてドキュメンタリー映画がノミネートされている。今年も東京国際映画祭で上映された「ダホメ」(セネガル)が有力視される。 |
考察⑫ | 昨年、「関心領域」がこの部門で受賞を果たしたイギリス代表作品から2年続けてショートリスト入り。その映画「サントーシュ」は、殉職した警察官の妻が職を継承できるという政府の制度をつかって警察官になる女性の物語。イギリス系インド人である女性監督の作品であることも票に結びつくか。 |
結果を受けて | |
長編アニメーション映画賞 |
考察① | 長編アニメ映画賞の歴史はまだ浅く、2001年に創設されてからまだ23年。今年は全31本がエントリー。一次選考はなく、ここから最終ノミネート5本が選出される。 |
---|---|
考察② | 重要5賞(組合賞・ゴールデングローブ賞・放送映画批評家協会賞・英国アカデミー賞・アニー賞)ですべてノミネートされたのは、「野生の島のロズ」「Flow」「インサイド・ヘッド2」「ウォレスとグルミット 仕返しなんてコワくない!」の4本。 |
考察③ | 前哨戦実績では全体3位ながら、英国アカデミー賞のみノミネートを逃したのが「Memoir of a Snail」。東京国際映画祭でも上映されたクレイ・アニメーションで、1コマずつ丁寧に撮影された映像で少女の友情物語を描く。 |
考察④ | 日本からは「きみの色」「化け猫あんずちゃん」「屋根裏のラジャー」「ルックバック」「Ultraman: Rising」(日米合作)がエントリー。アニー賞にノミネートされた「Ultraman: Rising」と「ルックバック」が最も有力か。 |
考察⑤ | この部門の絶対的王者であるディズニーだが、今年は劣勢。ピクサー「インサイド・ヘッド2」は前哨戦実績で4番手、「モアナと伝説の海2」は7番手と出遅れている。 |
考察⑥ | とはいえ、この部門におけるピクサー作品の強さは圧倒的。同賞が開設された2001年以降に公開された24本のうち、18本がノミネートに至っている(うち受賞11本)。「インサイド・ヘッド2」もノミネートまでなら十分。 |
考察⑦ | この5年で計6本のノミネート作(うち受賞1本)を送り込んでいるNetflix。昨年ノミネートされた「ニモーナ」も驚くほどクオリティが高く、製作体制の充実ぶりが伺える。今年は「エリアンと魔法の絆」「あの年のクリスマス」「ユニコーンのテルマ」「ウォレスとグルミット 仕返しなんてコワくない!」の4本がエントリーしている。 |
考察⑧ | カンヌ国際映画祭から独立するかたちで設立されたアヌシー国際アニメーション映画祭で最高賞グランプリを受賞した作品にも注目。過去、「FLEE フリー」(2021年)、「失くした体」(2019年)、「ぼくの名前はズッキーニ」(2016年)などがアカデミー賞にもノミネートされている。今年は2023年のグランプリ受賞作「リンダはチキンがたべたい!」と2024年のグランプリ「Memoir of a Snail」がそろってエントリー。 |
結果を受けて | |
長編ドキュメンタリー映画賞 |
考察① | 一次選考を突破した15本がノミネート5枠を争う。前哨戦実績最上位の「Super/Man: The Christopher Reeve Story」がここで落選。スーパーマン役で大活躍した後、事故により首から下が麻痺し、車椅子生活を余儀なくされた俳優クリストファー・リーヴの半生を綴る。昨年、パーキンソン病と向き合う俳優マイケル・J・フォックスの姿を追った「STILL:マイケル・J・フォックス ストーリー」も同じく前哨戦最上位ながらノミネートを逃している。 |
---|---|
考察② | 重要賞である組合賞と英国アカデミー賞の両方にノミネートされているのは、その「Super/Man: The Christopher Reeve Story」のみ。組合賞の選考がほか前哨戦とは路線を異にしており、英国アカデミー賞の結果のほうが本番に直結しやすいかもしれない。 |
考察③ | その英国アカデミー賞でノミネートされているのは「Super/Man: The Christopher Reeve Story」「ノー・アザー・ランド 故郷は他にない」「ウィル&ハーパー」「ドーターズ」「Black Box Diaries」の5本。 |
考察④ | Netflix作品が強い。2014年に初めてノミネート作品を輩出すると、そこからの8年で計9本のノミネートを獲得している(うち受賞3回)。ただし、昨年は一次選考を突破した「ジョン・バティステ アメリカン・シンフォニー」と「はじめから烙印を押されて」が有力視されながらどちらも落選。「ウィル&ハーパー」「ドーターズ」「イベリン 彼が生きた証」はノミネートなるか? |
考察⑤ | 「ウィル&ハーパー」は、俳優のウィル・フェレルがトランス女性であることをカミングアウトした30年来の友人とアメリカ横断の旅をともにする様を描いた作品。ときに奇異な視線に晒されながらも、それをはね返すように旅を謳歌する2人の姿が胸に響く。クリストファー・リーヴやマイケル・J・フォックスの映画が落選しているように、俳優が被写体になっていることがマイナスに出なければいいが…。 |
考察⑥ | 「Black Box Diaries」は映像ジャーナリストの伊藤詩織が、自らが被害にあった性的暴行を調査していく様を6年にもわたって追った作品。日本の配給会社スターサンズがイギリス、アメリカとの共同製作で完成させた。英国アカデミー賞ノミネートという大きな実績があるだけに、米アカデミー賞ノミネートの可能性も十分。 |
考察⑦ | 「ノー・アザー・ランド 故郷は他にない」は、いままさに戦争状態にあるパレスチナのヨルダン川西岸地区の現状をカメラにおさめた作品。パレスチナ人の青年と、彼に協力するためにやってきたイスラエル人の青年による決死の活動を追う。言うまでもなく、全世界の関心事であり、アカデミー会員からも多くの票を集めるのは間違いない。 |
考察⑧ | 「イベリン 彼が生きた証」は、難病により25歳の若さでこの世を去った青年が、オンラインゲームの世界でたくさんの仲間を作り、自由な人生を生きてきた証を紐解いていく作品。オンラインゲームに馴染みのないアカデミー老会員たちの反応はいかに…? |
結果を受けて | |
短編アニメーション映画賞 |
Au Revoir Mon Monde | |
ヴォイテクという名の熊 | |
● | 美しき男たち |
◯ | ボトルジョージ |
プールのカニ | |
● | イトスギの影の中で |
◯● | あめだま |
Maybe Elephants | |
Me | |
◯ | 折紙 |
Percebes | |
◯ | The 21 |
● | フシギなフラつき |
◯ | The Wild-Tempered Clavier |
● | Yuck! |
考察① | 「折紙」はデジタルハリウッド大学出身の金森慧が制作したフルCGアニメ作品。学生アカデミー賞アニメーション部門で日本映画としては初となる銀賞を受賞したことでも話題に。弱冠22歳の若き才能がアカデミーから見出されるか。 |
---|---|
考察② | 「ボトルジョージ」は、ピクサー・アニメーション・スタジオでアートディレクターとして活躍し、短編アニメ「ダム・キーパー」でこの部門でのノミネート実績もある堤大介とキングコング西野亮廣の共同プロジェクト。ボトルの中に入った毛虫のジョージの物語がコマ撮りアニメーションで描かれる。 |
考察③ | 東映アニメーション製作「あめだま」も見事にショートリスト入り。「ふたりはプリキュア」シリーズを手がけてきた西尾大介監督と鷲尾天プロデューサーのコンビが、不思議なあめだまを通じて周りの心の声が聞こえるようになった少年の姿を描く |
短編ドキュメンタリー映画賞 |
Chasing Roo | |
● | Death by Numbers |
Eternal Father | |
● | I Am Ready, Warden |
◯● | Incident |
◯● | Instruments of a Beating Heart |
Keeper | |
心の声を見つけて マケイラからの手紙 | |
◯ | Once upon a Time in Ukraine |
◯● | ザ・レディ・イン・オーケストラ NYフィルを変えた風 |
◯ | Planetwalker |
The Quilters | |
Seat 31: Zooey Zephyr | |
A Swim Lesson | |
Until He’s Back |
短編実写映画賞 |
● | A Lien |
---|---|
● | Anuja |
クローダ | |
The Compatriot | |
Crust | |
Dovecote | |
◯ | Edge of Space |
◯ | The Ice Cream Man |
● | 私は人間 |
◯● | The Last Ranger |
● | The Man Who Could Not Remain Silent |
◯ | The Masterpiece |
An Orange from Jaffa | |
◯ | Paris 70 |
Room Taken |