2008年全米サマーシーズン興行プレビュー!
2008年全米サマーシーズン興行プレビュー
昨年の全米サマーシーズン興行は「スパイダーマン3」「パイレーツ3」「シュレック3」が揃い踏みという超豪華な顔ぶれの中、イの一番に公開された「スパイダーマン3」が見事に逃げ切りを決め、やや遅れて公開された「トランスフォーマー」が3強に割って入る予想外の大ヒットで周囲を驚かせた。大作が集中することで共倒れになるのではという予測もあったが、結果的には4本の3億ドル超ムービーが誕生し、市場は大いに潤った。
2008年の全米サマーシーズン興行は、昨年と比べても遜色ない豪華な顔ぶれ。主役となるのはもちろん「インディ・ジョーンズ クリスタル・スカルの王国」だ。約20年ぶりとなるシリーズ最新作に世界中が熱狂。予告編やスチル写真が公開されるたびに大きなニュースとなり、秘密のヴェールに包まれた物語をファンが躍起になって解明しようとしている。製作開始が発表された一昨年からファンの期待は高まるばかりで、心配されたハリソン・フォードの高齢も予告編を見る限りでは心配なさそう。すべての世代を取り込める興行力を持つ作品だけに、4億ドル超えの大ヒットが期待される。
2番手につけるのが7月公開の「ハンコック」。今や他の追随を許さないほどの人気を誇るウィル・スミス主演最新作だ。大ヒットした前作「アイ・アム・レジェンド」のスケールはそのままに、スミス特有のトボけたユーモアもプラスされた本作も3億ドル超の大ヒットを記録するポテンシャルを秘める。
前作が2億ドル突破の「ナルニア」「The Dark Night」もヒットは確実。特に後者は故ヒース・レジャーの熱演が話題となっているだけに、前作以上の興収が期待できるだろう。一方前者は、前作が11月公開でうまく年末年始興行を生き残ったのに比べると、競合揃いの夏興行で同じような持続力を発揮できるかは疑問。翌週公開の「インディ4」に観客を奪われるのは必至で、思わぬ失速もありそうだ。
予想が難しいのが、夏興行トップをきって公開される「アイアンマン」と、その翌週公開の「スピードレーサー」。大ヒットのポテンシャルは秘めているものの、観客から総すかんを食う危険性も内包している。どちらも興行的に持続力のあるタイプの作品ではないので、オープニングでどれだけ稼げるかがポイントになる。
2008年全米サマーシーズン興行プレビュー